海外感染症情報 (NO.50)
平成22年5月28日
関西空港検疫所
カメルーンでの黄熱の流行状況について
 

 2010527日現在、カメルーン保健省は、ナイジェリアのクロスリバー州と近接している西南地域のクンバ地区で、2010125日に黄熱の一例を報告しました。
 症例はKake高校の16歳女性で、111日に発症し、発熱や黄疸といった臨床症状を呈していました。患者は黄熱の予防接種歴はありませんでしたが、生存することができました。
 この症例からの検体は、ELISA法(酵素抗体法)でIgM陽性、またより特異的な検査法であるPRNT法(プラーク減少中和抗体法)で陽性であり、黄熱と確認されました。
 この地域でのアウトブレイクの調査が行われ、その結果1人が有症(発熱)であるとされましたが、この患者と他の50人の接触者の検査(ELISA法)の結果、全員陰性であることが確認されました。
 カメルーンでは20095月に、62の危険地区の住民740万人に大規模な予防接種キャンペーンを実施しましたが、クンバ・ムユカ両地区は、過去50年間黄熱の報告がなかったためキャンペーンの対象外となっていました。
 カメルーン保健省はクンバ・ムユカ地区の345,592人に、黄熱の予防接種を行う予定です。
(平成22年5月27日WHO情報)