海外感染症情報 (No.67)
平成22年7月20日
関西空港検疫所
パンデミック・インフルエンザ(H1N1)
流行状況について(18)

712日現在、世界の214以上の国や地域から18,337例以上の死亡例を含む新型インフルエンザの確定症例が報告されています。

新型インフルエンザの活動性は、世界的に概ね低い状態で推移しています。現在、新型インフルエンザが最も活動的な地域は、南アジア、アフリカ西部、中米の一部です。季節性H3N2インフルエンザウイルスは、アメリカ大陸、アフリカ、東南アジアで流行が続いています。中米のいくつかの国々では、引き続き季節性インフルエンザの流行が広がっています。

南アフリカでは6月下旬、呼吸器検体のうちインフルエンザ陽性(主に季節性B型およびH3N2)の割合が急激に増加しはじめ、7月第1週には50%に迫る勢いでしたが、7月第2週には40%程度にまで減少してきています。オーストラリア北部準州では最近、新型インフルエンザの小規模な集団発生が見られましたが、それ以外は散発的な発生にとどまっています。

アジアでも、インド南部および西部、シンガポール、マレーシアを除いて、新型インフルエンザの活動性は概ね低く、散発的な発生にとどまっています。インド南部のケーララ州では新型インフルエンザが活動性を維持しており、インド西部のマハーラーシュトラ州において、6月中旬以降新型インフルエンザのわずかな増加が見られています。シンガポールでは、5月にピークを迎えてからは新型インフルエンザの流行は減少しています。マレーシアでも新型インフルエンザの新規患者数は減少してきており、本年4月中旬〜5月中旬にピークを迎えてからは活動性が減衰しています。

アメリカ大陸の熱帯地域では、新型と季節性H3N2インフルエンザの共流行が最近見られた中南米の一部の地域を除いて、新型および季節性インフルエンザの活動性は概ね低いままです。

アフリカ西部のガーナでは、4月上旬に新型インフルエンザ最初のピークを迎えてからも、流行再燃が数ヶ月以上続いています。季節性B型インフルエンザはアフリカ中部および南部の一部、とくに6月に患者数の激増が見られたカメルーンで流行が続いています。

(平成22年7月16日 WHO情報)