海外感染症情報 (No.68)
平成22年7月20日
関西空港検疫所

コンゴ民主共和国での黄熱発生について


2010719日現在、コンゴ民主共和国北部オリエンタル州のウエレ地方ティトゥルにおいて黄熱疑い例1例が国境なき医師団(MSF)によって2010625日に報告されました。同年3月から6月の間に2例の死亡例を含む11例の疑い例が報告されていました。
 症例は43歳の農家の男性で、発熱・黄疸・血尿を呈していました。315日に発症し、数日後に死亡しました。患者は黄熱ワクチン接種を受けていませんでした。キンシャサの国立医学研究所によって検査がなされELISA法(酵素抗体法)でIgM陽性、またセネガルのダカールにあるパスツール研究所・黄熱研究室によってさらに詳しい検査(中和試験)が行われ確認されました。
 症例の確認に次いで、流行範囲の確認や緊急時のワクチン準備の目的で、その町(住民約17000人)で調査が行われています。

 コンゴ民主共和国はアフリカにおける黄熱発生国であり、2003年に予防接種拡大計画(EPI)で生後9ヶ月の全ての乳児に対して黄熱ワクチンが導入されました。

(平成22年7月19日 WHO情報)