海外感染症情報 (No.69)
平成22年7月20日
関西空港検疫所

アンゴラでの野生株ポリオ症例の発生について


719日現在、アンゴラ保健省は2010年初頭以降15例のポリオ野生株1型(WPV1)の症例を報告しており、流行の拡大に注意しています。これらの症例は全て首都のルアンダや、以前はポリオ流行のみられなかった州(ビエ、ベンゴ、フアンボ、ルンダノルテ、ルンダスル)において2月以降に検出されています。遺伝子学的に関連のある1例(525日に麻痺を発症)が、コンゴ民主共和国(アンゴラとの国境にあるカサイ・オクシデンタル州)でも確認されています。
 同国では2007年以降ポリオウイルス1(WPV1)の流行が続いており、8例が2007年、2008年と2009年にはそれぞれ29例が報告されています。

 最近国際的にWPV1による感染が拡大していることから、WHOは近隣諸国へのさらなる感染拡大のリスクが高いと考えています。WHO国際渡航および保健勧告によると、アンゴラへの旅行者とアンゴラからの旅行者は、ワクチン接種をするべきとのことです。

 アンゴラでは4月から6月にかけてポリオワクチン接種キャンペーンを行い、さらに8月初旬と9月にも予定しています。コンゴ民主共和国でも6月に予防接種キャンペーンを行いました。

(平成22年7月19日 WHO情報)