海外感染症情報 (NO.72)
平成22年7月26日
関西空港検疫所

タジキスタンでのポリオ(急性灰白髄炎)の
流行状況について(5)


 2010723日現在、タジキスタン保健省は201011日以降、野生型ポリオウイルス1型の輸入例に次いで430例のポリオを報告しています。うち19例が死亡例でした。大流行を起こしたポリオウイルスはインド北部のものに由来しています。タジキスタンでは2002年にポリオ清浄国と公認されて以降初の大流行です。
  大流行の影響を受けて、タジキスタンでは4回の経口ポリオワクチン全国予防接種日(NIDs)が実施されました。接種普及率は高いことが独立調査機関により確認されています。最近では615日〜19日に行われ(613日に開始したドゥシャンベと周辺6地域を除く)、全国の接種率は99.3%です。また、97%を下回った地域はなく、06歳および715歳児における接種率も97%を上回っています。
  現在のところ612日に発症したのが最後の症例であり、WHOに報告されている新規の急性弛緩性麻痺症例数(ポリオも原因のひとつ)は急激に減少しています。しかしながら、最近の急性弛緩性麻痺症例では十分なウイルス学的検査データが得られておらず、WHOによる他国への感染拡大のリスク評価では ‘ハイリスク’に据え置かれています。
  ポリオ発生国に出入りする海外渡航者は、ポリオに対する十分な免疫を維持しておく必要があります。
(平成22年7月23日 WHO情報)