海外感染症情報 (NO.73)
平成22年7月26日
関西空港検疫所

オランダでのQ熱の流行状況について


 オランダ国立公衆衛生・環境研究所によると、同国内でQ熱アウトブレイクの報告が続いています。201011日〜720日までに、5例の死亡例を含む427例のヒト感染例が報告されています。全国的に報告がありますが、ほとんどの症例が国の南部にあるノールド(北)ブラバント州・ヘルダーランド州・リンブルフ州・ユトレヒト州から報告されています。このことは2007年以降Q熱のアウトブレイクが続いていることを表しています。2007年は168例、2008年は1000例、2009年は6例の死亡例を含む2357例が報告されていました。Q熱は通常、感染動物・家畜からヒトに感染する病気です。Q熱に罹患する危険性は低いですが、オランダを渡航する場合は健康を維持するために以下の注意点に従ってください。

・流行地で農場へ行くことは避けてください。 やむを得ず農場を訪問する場合は、動物が囲われている納屋や檻に近づかないようにし、動物との直接接触を避けてください。汚染された土壌や粉塵を吸入することで感染することもあります。
  ・殺菌された乳製品を食べるようにして下さい。生のミルクを飲んだり、生の乳製品を食べないで下さい。
  ・とくに動物に近寄った際には石鹸や水でよく手を洗ってください。仮に石鹸や水が利用できない場合は、アルコールハンドジェル(60%以上アルコール含有)を使用して下さい。 
渡航後も自らの健康状態に注意して下さい。曝露を受けてから25週間後にQ熱を発症します。体調が優れない場合は病院へ行き医師にオランダを渡航した旨を伝えて下さい。

(平成22年7月23日 CDC情報)