海外感染症情報 (NO.91)
平成22年9月10日
関西空港検疫所

タジキスタンでのポリオ(急性灰白髄炎)の
流行状況について(6)


 タジキスタンでは、インドからの輸入ポリオの流行が続いています。この大流行は、2002年にポリオ清浄国と公認されて以降、WHOヨーロッパ支部管内において初のポリオ輸入例ということになります。
  2010年8月1日時点でタジキスタン保健省は700例の急性弛緩性麻痺(ポリオ)症例を報告しています。5月〜6月に行われた4回の予防接種キャンペーン以降、週毎の麻痺症例報告数はかなり減少してきています。これらの症例のうち452例は検査でポリオと確定されています。ポリオ確定症例のうち312例は5歳あるいは5歳未満の子供です。確定例のうち20症例の死亡が報告されています。
 
ポリオ確定例は首都ドゥシャンベ・政府直轄地域およびハトロン州で報告されており、全てタジキスタンの中部・南西部であり、一地域は北部ソグド州です。タジキスタン政府はWHOからの専門的指導と支持を要求しており、周辺諸国と流行に関する情報を共有しています。タジキスタンは南はアフガニスタン、西はウズベキスタン、北はキルギスタン、東は中国と国境を接しています。
(平成22年9月3日 CDC情報)