海外感染症情報 (No.94) |
平成22年9月13日 関西空港検疫所 |
インフルエンザの流行状況について(4) |
現在インフルエンザは南半球温帯地域および南アジアにおいて非常に高い活動性を示しています。依然として、インド全域で新型インフルエンザH1N1(2009)が猛威をふるっており、かなりの数の死者が出ています。 チリでは、最近2週間で呼吸器疾患が著しく増加しています。6月と7月に呼吸器疾患のピークを迎えることが多い同国で、9月にこれだけの活動性を示すのは極めてまれなことです。今シーズンは新型H1N1(2009)が大部分を占めていましたが、ここ数週でB型およびA型(H3N2)に移行しつつあります。小児を中心に、RSウイルス感染例も増加しています。 オーストラリアでは、8月、9月を通してインフルエンザ症例が増加していましたが、インフルエンザ様疾患で救急外来を訪れる患者数が頭打ちになった地域もあるようです。インフルエンザの活動性は、概ね昨冬よりもずっと低い状態です。新型H1N1(2009)が大部分を占めていますが、B型も検出されています。 ニュージーランドでは、基準値を大きく上回る地域も見られるものの、8月最終週にはインフルエンザの活動性が低下しました。同国でも、新型H1N1(2009)が大部分を占めています。 最後にアフリカにおける流行状況です。中央アフリカ共和国で初となる新型H1N1(2009)が検出されました。南アフリカ共和国では、2週連続でインフルエンザの患者数が減少しています。同国では今冬を通してB型が大部分を占めていましたが、ここ数週は新型H1N1(2009)が増加しており、A型(H3N2)も少数ながら検出されています。
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(平成22年9月10日 WHO情報) |