海外感染症情報 (NO.99)
平成22年10月12日
関西空港検疫所

アフリカ中部でのコレラ流行状況について

アフリカ中部における現在のコレラの流行は、数ヶ月前に始まりました。103日現在、4カ国(カメルーン、チャド、ニジェール、ナイジェリア)から40,468症例、うち1,879例の死亡が報告されています。衛生状態の悪さや人の移動に加え、洪水をもたらす雨季といった季節性要因が、今回の異常に高いコレラ発生率の原因ですが、コレラが風土病となっているこれらの地域は、定期的に小規模な流行に見舞われています。
 カメルーン:56日から103日までで6州(中央州、極北州、リトラル州、北部州、西部州、南西州)から515例の死亡を含む7,869例の報告があります(死亡率6.5%)。大部分(97%)は極北州からの報告です。
 チャド:713日から103日までで6州の12保健地区から111例の死亡を含む2,508例の報告があります(死亡率4.4%)。
 ニジェール:73日から101日まででディファ、マラディ、タウア、ザンディールの4州から62例の死亡を含む976例の報告があります(死亡率6.4%)。
 ナイジェリア:14日から103日までで連邦首都地区を含めた15州の144地方行政区から1,191例の死亡を含む29,115例の報告があります(死亡率4.1%)。流行はいまだなお継続しており、新たな地域への拡大も認められます。大洪水とそれに伴う大量の国内難民が生じており、事態をいっそう悪化させています。


(平成22年10月8日 WHO情報)