海外感染症情報 (NO.12)
平成23年2月14日
関西空港検疫所

オランダでのQ熱の流行状況について

オランダ国立公衆衛生・環境研究所によると、同国内でQ熱流行の報告が続いているとのことです。2010年のヒト感染例は506例(うち死亡10例)でしたが、201122日現在、さらに8例のヒト感染例(死亡例なし)が報告されています。これらの報告症例のうち、正確な確定症例数は明らかではありません。全国的に報告がありますが、ほとんどの症例が北ブラバント州、ヘルダーラント州、リンブルフ州、ユトレヒト州から報告されています。同国では2007年に168例、2008年に1,000例、2009年に6例の死亡例を含む2,357例が報告されており、現在もQ熱の流行が続いていることを示唆しています。
 渡航者の方へ:Q熱は通常、感染動物・家畜(主に牛・羊・ヤギなど)からヒトに感染する病気です。潜伏期間は2〜5週間で、インフルエンザ様症状・肺炎・肝炎など多様な症状を呈します。抗菌薬で治療可能であり、ほとんどの場合、完全に回復します。Q熱に罹患する危険性は低いですが、オランダに渡航する際には次のことに注意して下さい。
@流行地で農場を訪問することや動物との直接接触を避けること。
A殺菌された乳製品を摂るようすること。
B手を石鹸・水でよく洗うこと(とくに動物接触後)。

(平成23年2月11日 CDC情報)