海外感染症情報 （ＮＯ．１３）
平成２３年２月２８日 関西空港検疫所
鳥インフルエンザ(H5N1型)の流行状況（６）
	2011年2月25日、カンボジア保健省は、新たに2例の鳥インフルエンザ（H5N1型）ヒト感染例を発表しました。 　1例目の患者は、バンテイメンチェイ州マライ郡在住の19歳女性で、2月5日未明に発症し、9日にプライベートクリニックに入院したのち12日に病院に搬送されましたが、鳥インフルエンザを疑われることもなくその日に死亡しています。患者は1月3日に夫、11か月の息子、義母、義理の姉妹とプレイベン州プレアスダック郡に旅行しており、1月後半から2月初旬にかけて病気や死亡した家禽類と複数回の接触がありました。2月12日に血液検体が採取され、カンボジア・パスツール研究所におけるポリメラーゼ連鎖反応（PCR）検査で22日に陽性であることが判明しました。 　2例目は11か月の息子で、2月5日に発症し、15日に入院しましたが17日に死亡しています。母と同時期に病気や死亡した家禽類と複数回の接触がありました。20日、カンボジア・パスツール研究所において鼻咽頭検体からH5N1ウイルスが確認されました。 　同国保健省は世界保健機関（WHO）の支援のもと対応にあたっていますが、現時点では他の濃厚接触者に症状は認められていません。 　カンボジアでは2005年以降現在までに13例の感染が確認されており、うち11例が死亡しています。
発生日 ｱｾﾞﾙ ﾊﾞｲｼﾞｬﾝ バングラデシュ ｶﾝﾎﾞｼﾞｱ 中国 ｼﾞﾌﾞﾁ ｴｼﾞﾌﾟﾄ ｲﾝﾄﾞﾈｼｱ ｲﾗｸ ラオス ミャンマー ナイジェリア パキスタン ﾀｲ ﾄﾙｺ ﾍﾞﾄﾅﾑ 総数 患者 死亡 患者 死亡 患者 死亡 患者 死亡 患者 死亡 患者 死亡 患者 死亡 患者 死亡 患者 死亡 患者 死亡 患者 死亡 患者 死亡 患者 死亡 患者 死亡 患者 死亡 患者 死亡 2003年 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 3 3 4 4 2004年 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 17 12 0 0 29 20 46 32 2005年 0 0 0 0 4 4 8 5 0 0 0 0 20 13 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 5 2 0 0 61 19 98 43 2006年 8 5 0 0 2 2 13 8 1 0 18 10 55 45 3 2 0 0 0 0 0 0 0 0 3 3 12 4 0 0 115 79 2007年 0 0 0 0 1 1 5 3 0 0 25 9 42 37 0 0 2 2 1 0 1 1 3 1 0 0 0 0 8 5 88 59 2008年 0 0 1 0 1 0 4 4 0 0 8 4 24 20 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 6 5 44 33 2009年 0 0 0 0 1 0 7 4 0 0 39 4 21 19 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 5 5 73 32 2010年 0 0 0 0 1 1 2 1 0 0 29 13 9 7 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 7 2 48 24 2011年 0 0 0 0 3 3 0 0 0 0 3 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 6 3 総　　計 8 5 1 0 13 11 40 26 1 0 122 40 171 141 3 2 2 2 1 0 1 1 3 1 25 17 12 4 119 59 522 309 患者数には死亡者数を含む。このＷＨＯの報告数は確定診断の症例による。 （平成２３年２月２５日　ＷＨＯ情報）