海外感染症情報 (NO.15)
平成23年3月2日
関西空港検疫所
インドネシア(バリ島)での狂犬病の流行状況について

200812 、インドネシア農業省はバリ島においてイヌの狂犬病が大流行していることを国際獣疫事務局に通知しました。20112月現在、バリ島では100例以上の狂犬病死亡が報告されています。ヒトおよび動物の狂犬病は観光客に人気のあるバリ島南端を含め全島内で確認されています。CDC(米国疾病予防管理センター)はバリ島への渡航者に対し狂犬病に関する注意を促しています。郊外での活動(サイクリング・キャンプ・ハイキングなど)を含め動物との接触の機会がある渡航者はとくに注意が必要です。
 狂犬病はヒトと動物の両方に感染し、急速に進行し死亡する病気です。ほとんどが動物に咬まれることで感染しますが、動物の唾液が眼や鼻や口に直接入ったり、傷のある皮膚に接触することでも感染します。ヒトへの主な感染源となる動物はイヌやその他の野生動物(キツネ、アライグマ、マングース、コウモリなど)です。
 全世界では毎年約50,000人が狂犬病で死亡しています(ほとんどが子供です)。
 狂犬病発生国へ渡航する際には、動物との接触を避けるようにして下さい。咬傷・引っ掻きを受けた後は石鹸で傷口をよく洗って直ちに医療機関を受診し、狂犬病ワクチン接種を含めた処置を受けて下さい。渡航前に狂犬病ワクチン接種を受けることも考慮して下さい(暴露前接種がある場合でも暴露後には緊急処置が必要です)。子供と渡航する場合はとくに注意が必要です。また、ペットを連れて渡航する際は、ペットが現地の動物と接触しないよう監視するようにして下さい。

(平成23年3月1日 CDC情報)