海外感染症情報 (NO.42)
平成23年6月3日
関西空港検疫所
ドイツにおける溶血性尿毒症症候群の流行について

201162日現在、ドイツにおける溶血性尿毒症症候群(HUS)および腸管出血性大腸菌感染症(EHEC)の患者数が増え続けています。WHOヨーロッパ管区において現在10ヶ国から報告があります。
 531日時点で、ドイツでは9人がHUS6人がEHECにより死亡しています。スウェーデンでも1人が死亡しています。多くの患者が入院治療を要し、透析を含めた集中治療が必要な患者も数例あるとのことです。
ドイツにおける志賀毒素産生大腸菌(STEC)によるHUSおよび血性下痢を呈する患者数は470人に達し、前日よりも97人増加しています。EHEC患者は1064人で、同様に268人増加しています。ヨーロッパ全体ではHUS患者499人、EHEC患者1115人の計1614人の患者報告があります。
 各国からの報告です。(HUS患者数、EHEC患者数):オーストリア(02)、デンマーク(77)、フランス(06)、オランダ(44)、ノルウェー(01)、スペイン(10)、スウェーデン(1528)、スイス(02)、英国(21
 これらの症例のうち2例を除く全員が最近ドイツ北部に渡航しており、1例はドイツ北部からの渡航者と接触があったとのことです。
 感染源に関する調査が続けられていますが、未だ明確なものは分かっていません。
 国際保健規則に基づいて、WHOは各加盟国に最新状況を通知するよう指示しています。
 WHOは本件に関わる貿易についていかなる制限も勧告していません。


(平成23年6月2日 WHO情報)