海外感染症情報 (NO.79)
平成23年10月26日
関西空港検疫所
ギリシャでのマラリア発生に伴う予防対策について
 

CDCがギリシャ保健当局から入手した最新情報によりますと、20115月以降927日時点で計20人のマラリア患者が報告されています。いずれも他のマラリア発生地域への渡航歴はありません。また、他のマラリア発生国からの入国者において計16人のマラリア患者が確認されており、自国で感染した輸入例か、ギリシャ国内で感染した国内感染例かどうかは確定できていないようです。全症例が三日熱マラリアです。症例の大部分(20例)が同国南部ペロポネソス地方ラコニア県から報告されており、その他、中央ギリシャ地方東部エヴィア島、アッティカ地方東アッティカ県、中央ギリシャ地方ヴィオティア県、テッサリア地方ラリサ県からも報告があります。

この発生を受け、CDCはラコニア県への渡航者はマラリア予防薬を服用するよう推奨しています。推奨されるマラリア予防薬は、アトバコン-プログアニル(商品名マラロン)、クロロキン、ドキシサイクリン、メフロキン、プリマキンです。なお、プリマキンはG6PD欠損症の方には使用禁忌ですので、使用前に検査が必要です。

その他、エヴィア県、東アッティカ県、ヴィオティア県、ラリサ県では少数例の報告しか上がっていないため、当該地域への渡航者は現時点ではマラリア予防薬の服用は推奨されていません。

屋外では虫除け剤を使用すること、空調や網戸が設置された部屋に滞在すること、夕方から夜明けにかけての蚊の吸血活動が活発になる時間帯は殺虫剤処理された蚊帳を使用して就寝するなど、蚊に刺されないよう注意して下さい。

(平成23年10月20日CDC情報)