海外感染症情報 (NO.12)
平成23年2月7日
関西空港検疫所
     カメルーンでの黄熱の流行について


 

201112月、カメルーン共和国保健省は北部州での黄熱の流行をWHOに届け出ました。

全患者数は7名の死者を含む23名で、201110月以降ギデ, ビベミ, ガシガ(ガシガのみ推定), ラグド, マヨ・ウーロ(推定) とゴロンベ(推定)地区の6地域で発生が報告されています。これらの患者は健康監視システムにより確認され、発症後14日以内で、発熱・黄疸の症状を呈していました。上記6地区の少なくとも13名の患者は、カメルーンのパスツール研究所でIgM-ELISA法により確定診断され、その後、WHOアフリカ地域のレファレンスラボラトリーであるセネガル・ダカールのパスツール研究所で、黄熱に最も特異的な検査である血清中和反応(PNRT)によりフォローされており、デング熱、ウェストナイル熱との鑑別も行われています。

WHOカメルーン事務所では、政府・保健局と協力して流行状況の調査を行い、患者を確定したり、流行の規模の評価を行っています。

関係機関は高リスクと考えられる8地域(ギデ、ビベミ、ガシガ、ラグド、マヨ・ウーロ、ガロウアⅠ、ガロウアⅡ、そしてゴロンベ)に住む120万名以上といった大規模な人数を対象とする予防接種計画に対し援助しています。予防接種キャンペーンは、2009年の予防的集団接種の際には黄熱流行や黄熱ウイルスの宿主間での循環が報告されておらず、対象から外れていた8地区を対象に、2012123日に開始されました。

(2011年2月3日WHO報告)