海外感染症情報 (NO.28)
平成24年4月5日
関西空港検疫所
     ナイジェリアでラッサ熱が流行

201244日、ナイジェリア保健省からWHOに、ラッサ熱流行発生の報告がありました。今年初めから322日までに、36州のうちの19州で、70人の死者を含む623人の疑い患者が報告されています。イルア専門教育病院で検査が行われ、エド州で108人の患者が確認されています。3人の医師と4人の看護師も死亡者に含まれていると報告されました。この情報は暫定的で、疑い患者でラッサ熱の検査結果が判明した時点で変更されることがあります。連邦及び州政府は、早期発見するためにサーベイランスを強化したり、患者の治療を強化したり、流行地域の住民の間で啓発活動を実施するなどして対し対応しています。拡大している流行に対応する上で大きな障害となっているのは、利用できる資源が限られていることだけでなく、保安上の危険からいくつかの地域への立ち入りが制限されていることです。WHOはナイジェリアへの旅行や貿易の制限を勧告していません。流行地域から帰国し、発熱、倦怠感、頭痛、咽頭痛、筋肉痛、胸痛、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛の症状があった方は、受診してください。通常ヒトは、マストミス種のげっ歯類の排泄物に接触することで、ラッサウイルスに感染します。ヒトからヒトへの感染は、地域でも病院でも、患者と直接接触することで起こります。最も危険が高いのは、マストミスが見つかっている地方に住んでいる人達です。また医療従事者では、適切な感染予防が実施されない場合、感染の危険が高くなります。


(2012年4月4日WHO報告)