海外感染症情報 (NO.58)
平成24年8月20日
関西空港検疫所

コンゴ民主共和国におけるエボラ出血熱の流行状況


2012817日、コンゴ民主共和国保健省は、世界保健機構(WHO)に対し、コンゴ民主共和国東部のオリエンターレ州内のthe Isiro 及びDungu 保健地区において、エボラ出血熱が流行していることを報告しました。10名の疑い例(9名はIsiro1名はDungu)と、6名の死亡例(5名はIsiro1名はDungu)が報告されています。

 

ウガンダのエンテベにあるウガンダウイルス研究所で行われた検査により、エボラウイルス(ブンディブギョ株)が確認されました。2名の患者から採取された3つの検体からエボラウイルスが陽性となりました。コンゴ保健省によって調査団が召集され、WHO、国境なき医師団(MSF)および米国疾病予防管理センター(CDC)を含むいくつかのパートナーと共に活動しています。保健省、WHOMSFの合同緊急援助チームは、流行地域において詳細な疫学調査と疾病治療管理の指揮に当たっています。

WHOは、地域における連携や、同症サーベイランス、疫学調査、検査、疾病治療管理、物資の支援、一般の人々への情報提供、さらに社会的動員などの面で同国保健省を支援しています。さらに、コンゴ民主共和国とIST /Gabon (Institut Supérieur de Technologie de Libreville au Gabon)から疫学者、物流支援者、人類学者と、社会的動員を行う事務官たちによって構成された追加の専門家チームが、現地に配属される可能性があるため動員されています。

WHOは、コンゴ民主共和国に対して、いかなる渡航や貿易の制限も推奨していません。

(2012年8月20日WHO報告)