海外感染症情報 (NO.49)
平成24年7月30日
関西空港検疫所

ウガンダにおけるエボラ出血熱の発生



2012729日 ウガンダの保健省は、西部キバレ県で、エボラ出血熱が発生したことをWHOに報告しました。7月初め以来、全部で20人の患者が発生し、うち14人が死亡しました。最初の症例はキバレ県NyamarundaNyanswiga村の家族で確認され、9人の死亡が報告されました。死亡者には、患者を診療した医療従事者と、同医療従事者の4ヶ月の子供も含まれています。14人の死亡者のうち9人が1つの家族内で発生しています。エンテベにあるウガンダウイルス研究所で、確定診断がなされました。

現在、2人の患者が入院しており、安定した状態にあります。1人は38歳の女性で、亡くなった医療関係者と姉妹の関係にあたります。彼女は今月26日に入院しました。もう1人は初発例の患者の埋葬に参加した30歳の女性です。彼女は23日に病院受診しました。どちらも発熱、嘔吐、下痢、腹痛で受診しています。2人とも今のところ、ウイルス性出血熱患者でよくみられる出血症状を認めていません。

キバレでは専門調査団が野外調査のため編成され、隣接する地区は厳戒態勢に置かれており、監視が強化されています。保健省専門家チーム、WHO、米国疾病管理予防センターのスタッフが現地に入り、調査を支援しています。今月6日までに病気を疑われた、もしくは確定した人と接触した人全員について、現在追跡調査をしています。キバレの病院では疑い患者や確定患者を一時的に隔離する病棟を設置しています。保健省とMulago病院は、隔離センターを管理するために、複数名の職員を動員していますが、緊急でさらに人員が必要とされています。保健省は、病気の蔓延を防ぐための措置を講ずるために、最寄りの保健所に疑い患者を報告するように国民に促しています。

なお、WHOはウガンダへの渡航制限や貿易制限を勧告していません。

(2012年7月29日WHO報告)