海外感染症情報 (NO.54)
平成24年8月13日
関西空港検疫所

ウガンダにおけるエボラ出血熱の発生(3)



2012810日、ウガンダ保健省はエボラ出血熱のアウトブレイクに対応するためにパートナーと共に尽力しています。88日現在、保健省は可能性例と確定診断例合計23人、うち16人の死亡例を記録しています。このうち10人がエンテベのウガンダウイルス研究所(UVRI)において確定診断がされています。

最も新しく確定診断がされた患者は、84日にカガディ病院に隔離されました。これまでのところ他県から得られた検体ではエボラウイルスは陰性でした。検査で陰性が確認された疑い患者は、治療によって病状が回復後、退院しています。

エボラ出血熱の可能性例あるいは確定診断例と接触のあった人は全て21日間の経過観察が行われています。接触者のうち、190人は経過観察を終え、185人は発症の兆候がないか現在も厳重監視されています。

ウガンダ政府はアウトブレイクに対応するため、パートナーとともに介入を行っています。パートナーにはアフリカ疫学ネットワーク(AFENET)EMESCO基金(地元のNGO)、感染症研究所(IDI)、ウガンダ赤十字(URCS)、国境なき医師団(MSF)、米国疾病予防センター(US CDC)WHOが含まれています。WHOは世界感染症警戒対応ネットワーク(GOARN)と協力しています。

国境なき医師団の支援によって、疑い患者のための一時隔離施設がキバーレ県カガディに建てられました。

エボラ出血熱の予防と感染コントロールについての意識を高める活動が全国で行われています。また、保健省は市民に対し、感染拡大を予防する手段を講じ、どんな疑い患者であっても近隣の保健施設に報告するように指導しています。

ウガンダと国境を接する国々では、サーベイランスを強化していますが、この速報の時点では、確定診断例の報告はありません。

なお、WHOはウガンダへの渡航や貿易の制限を勧告してはいません。

(2012年8月10日WHO報告)