海外感染症情報 (NO.56)
平成24年8月16日
関西空港検疫所

ウガンダにおけるエボラ出血熱の発生(4)



2012814日、ウガンダ保健省はキバーレ県で発生したエボラ出血熱のアウトブレイクを制圧するためにWHOCDC、赤十字、国境なき医師団等を含むパートナーと共に尽力しています。国と県の専門調査団は、アウトブレイクへの対応を調整するため、毎日会合をもっています。

現在までに、可能性例と確定診断例が合計23人、うち16人の死亡例が報告されています。このうち10人がエンテベのウガンダウイルス研究所(UVRI)において確定診断がされています。最も新しく確定診断がされた患者は、84日にカガディ病院に隔離されました。

検査で陰性と判明した疑い患者はエボラ出血熱患者として治療され、回復後に退院しています。確定診断例1人を含む合計43人が隔離施設から退院しています。この43人は心理社会学専門家チームの支援により、退院前のカウンセリングを受けた後、社会復帰しています。エボラ出血熱検査が陰性であっても、恐怖心を軽減し、汚名を払拭し、社会に再び受け入れられるようになるために、帰宅にあたっての心理社会的カウンセリングが重要となっています。

可能性例や確定診断例と接触のあった人は全て21日間の経過観察が行われており、エボラ出血熱を疑う徴候や症状がないか厳重監視されています。他県で出た疑い例については、調査が行われ、エボラウイルスが陰性であることが確認されています。

キバーレ県では、保健省が国境なき医師団と協力しながら疑い患者と確定診断患者に対して医学的対応を行っています。

ウガンダと国境を接する国々では、サーベイランスを強化していますが、この速報の時点では、確定診断例の報告はありません。

なお、WHOはウガンダへの渡航や貿易の制限を勧告してはいません。

(2012814WHO報告)