海外感染症情報 (NO.57)
平成24年8月20日
関西空港検疫所

ウガンダにおけるエボラ出血熱の発生(5)



2012年8月17日、ウガンダの保健省はキバレにおけるエボラ出血熱のコントロールのためにパートナーと共同での対策を継続中です。国及び地方の調査団はアウトブレイクへの対応を調整すべく連日会合しています。現在まであわせて24例の可能性例及び、確定例が報告されており、うち16例が死亡しています。11例はウガンダウイルス研究所(UVRI)で検査により確定されています。最後に確定された症例は、8月4日にカガディの隔離施設に入院しています。検査結果で陰性となった疑い例の患者らは、エボラ出血熱として見捨てられていましたが、症状に応じて治療を受け、回復し、退院しました。1例の確定例を含めて総数49人が隔離施設を退院しました。
 可能性例、及び確定例との接触者は、同症のどんな徴候もモニターされ、21日間経過観察されました。408例の接触者のうち70%以上は何も症状を呈することなく21日の経過観察を終了しました。他の地域の疑い例に対する警戒も注意深く行われ、現在までのところエボラウイルスは陰性です。WHOや他のパートナーのサポートを得て、保健省は起こりうる他の地域からの疑い例の受け入れを考慮し、ウガンダのカンパラにあるムラゴ国営病院に隔離設備をつくり、運営しています。同施設を運営する医療スタッフは既にトレーニングをすませています。
 赤十字のボランティアや地区の保健チームからなる社会活動チームは、キバレのもっとも患者の多い地域で、すでに村や家庭を訪問しています。教育啓発用のパンフレット等を配布したり、ラジオや広報車で衛生に注意するようメッセージを流すことにより、こういった活動が増強されます。
 米国疾病予防管理センター(CDC)のチームがキバレ地域で、今回のアウトブレイクで可能性の高い発生源や、感染伝播のルートを解明するべく、環境調査にのりだしています。
 WHOはウガンダへのいかなる目的の渡航も制限するように勧めてはいません。

(2012年8月17日 WHO報告)