海外感染症情報 (NO.59)
平成24年8月22日
関西空港検疫所
コンゴ民主共和国におけるエボラ出血熱の発生(2)

 8月20日現在、コンゴ民主共和国東部オリエンタル州にて合計15例(13例が可能性例、2例が確定例)と10例の死亡例が報告されています。報告があった例と死亡例は以下の3つの非汚染地域で発生しています:イシロ(Isiro)にて12例(死亡例8例、うち3例が医療従事者)、パワ(Pawa)にて2例(死亡例なし)、ドゥング(Dungu)にて死亡例1例。
 コンゴ民主共和国保健省は調査団を召集し、世界保健機関(WHO)、国連児童基金(UNICEF)、国境なき医師団(MSF)スイス事務局、同ベルギー事務局、米国疾病予防管理センター(CDC)を含むいくつかのパートナーと共に活動しています。同様の対策本部が郡・県レベルで設置され、対応を監督・指導しています。
 保健省、WHO、MSFの合同緊急援助チームが詳細な疫学的調査と患者管理の支援のために現地に入っています。制圧活動には患者発見と接触者追跡、感染症発生動向調査(サーベイランス)の強化、広報活動、社会的動員そして感染制御活動の強化が含まれています。
 WHOは関係機関との調整やサーベイランス、疫学調査、検査、患者管理、アウトブレイク用の物資調達、広報活動、社会的動員の分野で保健省を支援しています。コンゴ民主共和国、コンゴ共和国、WHOアフリカ地域事務局(AFRO)早期対応チーム、ガボンを拠点とした国際支援チーム(IST)とWHO本部から疫学者、物資調達担当者、人類学者、社会動員担当者で構成される追加チームが現地での活動に備えて動員されています。
なお、WHOはコンゴ民主共和国への渡航や貿易の制限を勧告してはいません。

(2012年8月21日WHO報告)