海外感染症情報 (NO.10)
平成25年2月15日
関西空港検疫所
チャドにおける黄熱について

2013214日、チャド保健省は昨年12月に同国で発生した2人の黄熱確定例を受け、その対応として、222日から大規模な緊急黄熱ワクチン接種キャンペーンを開始することを発表しました。同国で発生した2人の確定例はゴズ・ベイダとグエレダから発生しており、黄熱のWHO地域リファレンス研究所であるセネガル・ダカールのパスツール研究所で検査が行われ、確定されました。近隣のスーダン・ダルフール地方で発生した黄熱の流行に対応して、監視が強化されましたが、黄熱に対する国家監視プログラムを通して今回の患者が発見されました。同国での監視強化により、139人の疑い患者と9人の死亡者が報告されています。

 ワクチン接種キャンペーンは、スーダン・ダルフールとの境界に隣接するチャドのゴズ・ベイダ、グエレダ、アドレの3つの地区で、地域の難民キャンプの住民を含む100万人以上を対象に実施される予定です。このキャンペーンはチャドの保健省、黄熱ワクチン供給のための国際調整グループ(YF-ICG11)、およびワクチン予防接種世界同盟(GAVI)によって支援されています。

(2013年2月14日WHO報告)