海外感染症情報 (NO.100)
平成25年7月19日
関西空港検疫所
中東呼吸器症候群コロナウイルス感染確定例報告(36)
 2013年7月18日、新たに6例の中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERSコロナウイルス)感染確定症例が世界保健機関(WHO)に報告されました。これらのうち、2例はサウジアラビアから報告され、4例はアラブ首長国連邦(UAE)から報告されました。

 サウジアラビアの2例はどちらも軽症で入院していません。いずれもアシール(Asir)地方の出身です。最初の症例は過去に感染確定症例との濃厚接触がある26歳男性で、次の症例は医療従事者の42歳女性です。

 UAEの4例はアブダビ(Abu Dhabi)にある2つの医療機関における医療従事者で、以前に感染確定症例の患者の治療を行いました。うち2例は28歳男性と30歳女性で、無症状でした。他の2例は30歳と40歳の女性で、いずれも軽度の上気道症状はありますが安定した状態です。

 2012年9月から現在まで、WHOに報告されたMERSコロナウイルス感染確定症例の世界での合計は88人で、うち45人が死亡しています。

 WHOの世界全6地域の国際的な専門家で構成された緊急委員会は、現在の利用可能な情報とリスクアセスメントの手法を駆使した結果、現在の状況は国際的に懸念される公衆衛生緊急事態(PHEIC)には該当しないと全員一致で提言しています。

(2013年7月18日 WHO報告)