海外感染症情報 (NO.102)
平成25年7月23日
関西空港検疫所
中国における鳥インフルエンザA(H7N9)について(30)
 2013年7月20日、中国国家衛生・計画出産委員会は世界保健機関(WHO)に対して、鳥インフルエンザウイルスA(H7N9)の患者について、1例の診断確定症例を報告しました。これは、5月29日以降で最初の新しい診断確定症例です。

 患者は7月10日に発病した河北省廊坊市出身の61歳女性です。患者は7月10日から15日まで地元の病院に入院し、7月18日に北京市の病院に転院しました。現在、患者は危険な状態にあります。7月20日、北京市疾病管理センターが核酸検出により鳥インフルエンザA(H7N9)を確定しました。

 現在までに、中国での鳥インフルエンザ(H7N9)の診断確定症例は計134人で、うち死者が43人と報告されています。4例が入院中で87例が退院しました。現時点では、持続的なヒト-ヒト感染の証拠はありません。

 中国政府は、疫学的なサーベイランスと分析の強化、医療の整備、市民とのリスクコミュニケーションや情報発信の実施、国際的な協力と情報交換等を含む、厳重なモニタリングと感染予防・対策を継続しています、そして科学的研究も継続しています。

 WHOはこの事例に関して、入国時の特別なスクリーニング検査の実施及び渡航や貿易を制限することを推奨していません。
(2013年7月20日 WHO報告)