海外感染症情報 (NO.116)
平成25年8月21日
関西空港検疫所
ウガンダにおけるクリミア・コンゴ出血熱
 8月16日、ウガンダ保健省はウガンダ北部のアガゴ地域のオセット亜県でクリミア・コンゴ出血熱(CCHF)の発生を確認しました。

 ウガンダのウイルス研究所で確認された最初の症例は、Baromaに住む農業従事者です。8日、高熱、全身倦怠感、筋肉痛、体の数か所からの出血で発症しました。10日にアガゴの病院に入院し、現在、治療中とのことです。さらに、患者が発生した地域で3人が、同様の症状を呈して死亡したと伝えられています。現在、これらの死因については調査中です。

 この流行を受けて、政府は対応を効果的なものにする調整を確保するため、この疾患に対しての複数の部門からなる国の対策チームを立ち上げています。動物および人の健康に関する専門家で構成された集学的なチームが、調査の支援と対応のために当該地域に配置されました。この中には、WHOとCDCの専門家も含まれています。さらに、WHOの地方事務局は初期対応のための資金を提供しています。

 CCHFはマダニに刺されることで人に感染するウイルス性の出血熱です。また、感染動物の血液から、特に屠殺時に、感染する可能性もあります。汚染された医療機器や感染した人の体液を通じての院内感染の可能性もあります。

 CCHFは致死率が10~40%と高く、公衆衛生学的な脅威となります。この疾患は医療従事者や病院訪問者に感染する可能性があります。

 この事例に関連して、WHOは渡航や貿易の制限を推奨していません。

(2013年8月20日 WHO報告)