海外感染症情報 (NO.13)
平成25年2月22日
関西空港検疫所
新型コロナウイルス感染確定例報告(4)
2013年2月21日サウジアラビア保健省は世界保健機関(WHO)に対して新たな新型コロナウイルス感染症の確定痢例を報告しました。

患者は2013年1月29日に入院し、2月10日に死亡しています。2月18日に確定診断がなされています。本例についてはさらに調査が進められているところです。英国では健康保健局は新型コロナウイルス感染が陽性であった3人の家族について調査中です。この家族の内1名は元々基礎疾患がありましたが死亡しています。これでWHOは総数13の新型コロナウイルスへの感染者を報告しており、7例が死亡したことになります。

現在解っている状況と情報に基づいて重症急性呼吸器感染症(SARI)に対するサーベイランスと過去の非典型呼吸器感染例についての注意深い洗い出しをするようにすべての加盟国に対してWHOは勧告しています。説明不能な肺炎例や,重篤、進行性、複雑で治療に無反応な呼吸器疾患が感染発生地域に住んでいたり、旅行したケースである場合には新型コロナウイルスの検査を考慮しなければなりません。重症急性呼吸器感染症が見られる集団や医療従事者での発生の場合は世界のどの地域で起こったとしても徹底的な調査が必要です。全ての加盟国は新型コロナウイルス感染の新たなケースや集団発生がみられたら直ちにWHOに届けなければなりません。WHOは、この事例に関して入国時の特別なスクリーニングおよび渡航や貿易を制限することを推奨していません。WHOは引き続き、状況を監視しています。
(2013年2月21日 WHO報告)