海外感染症情報 (NO.140)
平成25年10月21日
関西空港検疫所
メキシコにおけるコレラの流行
 メキシコ保健省は、9月9日から10月18日までの間に、死亡例1人を含むコレラ菌O1小川型の感染確定例171人を報告しました。

 9月第2週にメキシコでは、このような下痢性疾患のリスクを増加させる、大雨、洪水、地滑りや住民の避難を引き起こすハリケーンと暴風雨の影響を同時に受けました。

 171人の確定例は、連邦区から2人、イダルゴ州から157人、メヒコ州から9人、サン・ルイス・ポトシ州から1人、ベラクスル州から2人が報告されました。

 全確定例のうち、86人は女性、85人は男性で、年齢層は3ヶ月から88歳までです。39人が入院しました。

 メキシコ保健当局は、国レベルでの疫学的な調査と監視を強化し、データの有効活用と医療において質の高い治療を確保しています。様々なレベルの医療システムにおいて、保健の専門家が、予防、治療、疾病の制御に関する訓練を受けています。地域レベルでの飲用水の確保と、基本的な衛生対策が実施されています。特に、水と食の安全に関する市民への啓発活動は、スペイン語と先住民後で行われています。

 これは、メキシコにおける1991年から2001年の間に発生したコレラの流行以降に記録された最初の地域内伝播です。メキシコの患者から分離された細菌の遺伝子調査では、3カリブ諸国(ハイチ、ドミニカ共和国、キューバ)で現在流行している菌株と高い相同性(95%)を示しており、メキシコで1991年から2001年の間に流行していた菌株とは異なります。

 WHOは、この事例に関して、メキシコへの渡航や貿易を制限することを推奨していません。
(2013年10月19日 WHO報告)