(No.164)

シリア・アラブ共和国におけるポリオの報告(3) 平成25年11月27日更新

 2013年11月26日、シリア・アラブ共和国において、合計17人から野生株ポリオウイルス1型(WPV1)が検出されています。デリゾール県で確認された15例に加えて、2人の追加症例は、農村部のダマスカスとアレッポから確認され、ウイルスの蔓延が確認されています。

 包括的な集団発生対策の実施が続いています。7つの国と地域で、5歳未満の2,200万人の子どもを対象としたポリオワクチンの集団予防接種活動が実施されています。WHO東地中海地域の全ての国々は共同決議で、緊急事態としてポリオ撲滅を宣言し、ポリオワクチンが行き届いていない子どもへの交渉と対応の支援を呼びかけています。WHOとユニセフは、全ての子どもがどこに住んでいてもワクチン接種を確保できるように、紛争の影響を受けているシリアに対して人道支援を提供する全ての組織や機関と協力することを約束しています。

 包括的な集団発生対応は、疫学に基づいて、地域によって少なくとも6ヶ月から8ヶ月継続する必要があります。

 地域全体の頻繁な人口移動と主要地域における免疫格差があるシリア・アラブ共和国の現在の状況において、この地域の野生型ポリオウイルスが国際的に拡散する危険性は高いと考えられます。経口ポリオワクチンと推奨される補助的な予防接種活動の実施に加えて、さらに潜在的な患者を積極的に検出するために、この地域に対して疫学調査に関する警報が発令されています。

(2013年11月26日WHO報告)