海外感染症情報 (NO.29)
平成25年4月16日
関西空港検疫所
中国におけるインフルエンザA(H7N9)について(11)
 4月13日、中国国家衛生・計画出産委員会は世界保健機関(WHO)に対して、インフルエンザウイルスA(H7N9)のヒト感染症例について、6人を新たに報告しました。1人は北京、1人は上海、2人は江蘇省、2人は浙江省の症例です。

 北京で報告された最初の患者は、4月11日に発症した7歳の女児です。上海の患者は、4月1日に発症した56歳の男性です。江蘇省の患者2人は、4月5日に発症した77歳の女性と4月1日に発症した72歳の男性です。浙江省の患者2人は、4月3日に発症した65歳の男性と4月6日に発症した38歳の男性です。

 現在までに、中国でのインフルエンザウイルスA(H7N9)感染確定症例は計49人で、11人の死亡者が含まれます。確認された症例における1,000人以上の濃厚接触者は、厳密に経過観察されています。

 感染源やウイルス保有宿主に対する調査が進められています。感染源が確認されるまでは、今後も中国でウイルスの感染者が出ると予想されます。現時点では、ヒトからヒトに感染が続いているという証拠はありません。

 WHOは、この事例に関して、入国時の特別なスクリーニング検査の実施及び渡航や貿易を制限することを推奨していません。

(2013年4月13日WHO報告)