海外感染症情報
(NO.51) |
平成25年5月13日
関西空港検疫所 |
アラビア半島における新型コロナウイルス感染症 |
■新型コロナウイルス感染症について現状はどのようですか?2013年5月時点で、サウジアラビア、カタール、ヨルダン、英国、アラブ首長国連邦、フランスにおいて合計33人の新型コロナウイルス患者が確認されました。うち18人が死亡しています。 ■コロナウイルスとは何ですか? コロナウイルスは一般的な風邪の原因となるウイルスです。さらに、SARS(重症急性呼吸器症候群)と呼ばれる重症の呼吸器疾患の原因にもなりました。SARSは2003年に世界的大流行を引き起こしましたが、2004年以来SARSと考えられる症例は確認されていません。新型コロナウイルスはSARSを起こしたウイルスとは別のウイルスです。 ■新型コロナウイルスについて分かっていることは? 新型コロナウイルスは、以前にヒトで認められたコロナウイルスとは異なるウイルスです。英国では、ウイルス感染が患者からその家族2人へ拡がったようです。新型コロナウイルス感染の症状は熱、咳および息切れです。CDCは、WHOやその他パートナーと協力し、このウイルスによる公衆衛生的リスクの把握に努めています。 ■旅行者自身の予防策は? 以下の日常的な対策が、細菌の拡散防止や、風邪やインフルエンザをはじめとして他の病気の予防に役立つでしょう: ■もし発病した場合は、 ・咳やくしゃみをする場合は口をティッシュで覆い、ティッシュはすぐにゴミ箱へ捨ててください。 ■いつ病院へ行くべきですか? アラビア半島またその周辺諸国へ旅行した後10日以内に、熱および咳や息切れなどの呼吸器症状が出現した場合には、医療機関を受診する必要があります。その際は、渡航歴を伝えましょう。 ■臨床情報: ・医療従事者は、10日以内にアラビア半島またはその周辺諸国を旅行した患者で急性の重症呼吸器症状を呈した患者(例えば、入院を要した患者)に対して、注意喚起を行ってください。ただし、空港で乗り継いだ旅行者は除きます。 *アラビア半島周辺諸国:バーレーン、イラク、イラン、イスラエル、ヨルダン、クウェート、レバノン、オマーン、パレスチナ自治区、カタール、サウジアラビア、シリア、アラブ首長国連邦、イエメン |
(2013年5月10日 CDC報告) |