(No.10)

中国の鳥インフルエンザA(H7N9)について(40) 平成26年1月14日更新

 2014年1月8日、香港特別行政区(SAR)・健康保護センター(CHP)は、WHOに鳥インフルエンザウイルスA(H7N9)の新たな診断確定例を報告しました。

 患者は、基礎疾患がある65歳の男性で、1月3日に発病し、7日に胸部感染症(肺炎)で入院し、同日中に集中治療室(ICU)に移りました。8日に検査で鳥インフルエンザウイルスA(H7N9)の陽性が確認されました。現在、患者は隔離されており、重篤な状態です。患者は1日~2日まで家族と、深セン・広東省を旅行しています。彼らは1日に、深センの生鮮市場の前を通過しています。香港では生鮮市場に入っていませんが、朝方、市場の入り口を通過した可能性があります。

 患者の濃厚接触者は無症状の状態ですが、患者との最後の接触から10日間は検疫下(健康監視下)に置かれています。接触者調査の対象には、入院患者だけではなく、医療従事者や病院訪問者を含めて、他の接触者も含まれます。今回の感染は香港以外で発生したと考えられて、調査は現在も継続されています。

 2014年1月9日、中国国家衛生・計画出産委員会は、WHOに鳥インフルエンザウイルスA(H7N9)の新たな診断確定例を報告しました。

 患者は浙江省嘉興市出身の51歳の女性です。患者は12月28日に発病し、1月6日に入院しました。現在は重篤な状態であり、感染源は調査中です。

 中国政府は、疫学調査と分析の強化、医療の整備、リスクコミュニケーションや情報提供、国際的な協力や交流の強化、科学的な研究の継続などを含む調査や対策を講じています。
今回の事例について、持続的なヒト-ヒト感染の証拠はありません。WHOは、入国時の特別なスクリーニング検査の実施および渡航や貿易を制限することを推奨していません。(2014年1月10日WHO報告)

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