(No.33)

中東呼吸器症候群コロナウイルス感染確定例報告(68) 平成26年2月10日更新

 2014年2月3日、アラブ首長国連邦は、新たな中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)感染確定例を世界保健機関(WHO)に1例報告しました。
 症例は、アブダビ在住のアラブ首長国連邦籍66歳の男性で、1月20日に上気道症状で発症しています。同月24日に肺炎と腎不全で入院しました。基礎疾患を有する患者でした。
MERS-CoVは、アブダビにある国立研究所で、同月30日に核酸の2ヶ所の標的部位に対するPCR検査の結果より確定されました。患者は現在ICUにいますが安定した状態です。保健省の担当者は接触者の追跡と疫学的調査を実施しています。
 患者はアラブ首長国連邦内でラクダを所有しており、今年1月20日からオマーンへの旅行をしており、そこでもラクダとの接触がありました。
 2012年9月から現在までに、世界中からWHOに報告されたMERS-CoV感染者は182人で、そのうち79人が死亡しています。
 ウイルスの情報と状況に基づいて、WHOは、全ての加盟国に対して重症急性呼吸器症候群(SARI)へのサーベイランスを継続することと、通常とは異なる呼吸器感染症について再調査をするように勧めています。