(No.36)

中国の鳥インフルエンザA(H7N9)について(63) 平成26年2月17日更新

 2014年2月14日の更新情報です。中国の国家衛生・家族計画(出産)委員会(NHFPC)
 および香港特別行政区(SAR)の香港衛生署衛生防護中心(CHP)は、世界保健機関(WHO)に鳥インフルエンザウイルスA(H7N9)の死亡例1例を含む新たな診断確定例8例を報告しました.
 2月11日にNHFPCから報告された5例(1例の死亡例を含む)の詳細は以下の通りです。
 7例中5例は男性です。年齢分布は5歳から70歳です。浙江省4例、広東省1例、安徽省1例、湖南省1例です。現在3例が危篤状態で、2例は重篤な状況です。1例は回復しています。7例中6例に生きた家禽、あるいは生きた家禽市場での接触歴があります。
 1例目 浙江省嘉興市の67歳の農夫は2月3日に発症し、8日に入院しました。現在危篤状態です。
 2例目 浙江省温州市の47歳女性は2月3日に発症し、7日に入院しました。現在重篤な状態です。生きた家禽市場での接触歴があります。
 3例目 浙江省麗水市の62歳の農夫は1月29日に発症し、2月6日に入院しています。現在危篤状態です。生きた家禽との接触歴があります。
 4例目 安徽省阜陽市の56歳農夫は2月3日に発症し、7日に入院しましたが同日死亡しています。生きた鳥との接触歴があります。
 5例目 広東省広州市の5歳の女児は2月1日に発病し、3日に入院しました。その後軽快し7日に退院しています。生きた家禽市場での接触歴があります。
NHFPCが2月14日に報告した2症例の詳細は以下の通りです。
 1例目 浙江省杭州市野70歳の農夫は2月4日に発症し、翌日入院後9日に転院しています。現在危篤状態です。生きた家禽との接触歴があります。
 2例目 湖南省婁底市の23歳男性は2月8日に発症し、翌日入院しています。現在重篤な状況です。生きた家禽との接触歴があります。

CHPから2月12日に報告された症例の詳細は以下の通りです。
 SARの65歳男性は2月8日に発症し11日に入院しました。基礎疾患を有する人で現在危篤状態です。患者は広東省開平に1月24日から2月9日迄家族と旅行で滞在していました。接触歴は現在調査中です。
これまでのところ持続的なヒトヒト感染の証拠は得られていません。

 感染が発生している地域からヒトが国際間を旅行する場合は、他国へ移動中あるいは到着後に(発症して)感染が判明することがあり得る。そのようなケースでも、ウイルスはヒトの間で容易に感染することはないので、移動先の国で集団レベルでの感染の拡がりを起こす可能性は低い。ウイルスが効果的にヒトヒト感染を起こす様になるまでは旅行者によってH7N9ウイルスが国際的に広まる危険性は低い。総括的なリスクアセスメントについては現時点では変更されていません。

 旅行者は、食品安全を順守し、食品衛生を実践しなければならない。


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