(No.42)

中国の鳥インフルエンザA(H7N9)について(69) 平成26年2月28日更新

 2014年2月25日、中国の国家衛生・家族計画(出産)委員会(NHFPC)は、世界保健機関(WHO)に鳥インフルエンザウイルスA(H7N9)の新たな診断確定例を1例報告しました。
 患者は広東省佛山市の71歳の男性で、今月16日に発症し、20日に入院しました。現在、危篤状態です。

 散発的に発生するヒト感染例

 総合的な危険度評価は変わっていない。
 中国本土から香港特別行政区(SAR)に輸出された生きた家禽から鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルスが検出されたという最近の報告は、生きた家禽の移動に伴ってウイルスが拡散する可能性を示唆しているが、現時点では、人や動物から鳥インフルエンザH7N9ウイルスが国際的な拡散を示す兆候はありません。しかし、このウイルスは家禽に感染しても症状を呈さないため、引き続き調査が必要である。流行地域および、その隣接地域では、今後も散発的なヒト感染例の発生が予想されます。

 感染国から持ち込まれたヒト感染例は、他国に移動中もしくは到着後に発生する場合がありますが、ヒトの間でウイルスが容易に感染するものではないため、発生した場合であっても地域レベルでの広がりの可能性は低いです。このウイルスが、ヒトからヒトに容易に感染するように適合(変異)するまでは、旅行者を介しての国際的にウイルスが拡散する危険性は低いです。

 WHOは、今回の事例に関して、入国時の特別なスクリーニング検査の実施および渡航や貿易を制限することを推奨していません。