(No.68)

ギニアでのエボラ出血熱の集団発生(5)

 新しい疑い患者のうち2人は医療従事者であり、医療施設ベースの感染予防と管理をより強化する必要性を示しています。国内の感染予防は、地域における安全な介護訓練の練習や安全な埋葬を含めた患者管理が支援されています。また、235人の接触者のうち130人以上は調査の継続が必要とされており、積極的な接触者調査が続いています。

現在、ギニアで報告された24人(コナクリ11人、ゲケドゥ6人、マセンタ7人)の臨床検体から、PCR検査でエボラウイルス陽性が確認されています。また、リベリアは、ギニアへの渡航歴がある2人を検査確定症例として報告しています。

シエラレオネとリベリアは共に、以前に報告した疑い患者の数を下方修正しています。リベリアは、ゲケドゥからの渡航者3人がエボラ出血熱を示唆する症状と徴候で死亡したことを報告しました。これらの患者から生前に採取された検体は、コナクリにあるダカールパスツール研究所(IP)の出張検査室でエボラウイルス陽性が確認されました。

シエラレオネは、死亡した疑い患者2人からエボラウイルスを同定しています。リベリアとシエラレオネから報告された確定患者と疑い患者は、いずれも発症前にギニアへの渡航歴がありました。疑い患者の調査は現在も続いています。両国から新たな疑い患者は報告されていません。

国際保健規則(IHR,2005)に準拠して、ギニア、シエラレオネ、リベリアの各保健省は、世界保健機関(WHO)や他の関係機関と連携して集団発生への対策を実施しています。WHOは、エボラ出血熱の流行についてギニアと国境を接する国々に警告しており、ウイルス性出血熱の国境に沿った疫学調査を強化しています。

状況は急速に変化するため、報告された死亡者数や医療監視下にある接触者数、確定患者数は予備的であり、監視活動の強化や接触者の積極的な追跡調査、研究所における継続中の検査結果により発生数は変化します。

ギニア、シエラレオネ、リベリアの国家当局は、エボラ出血熱対策計画の準備と必要な評価を実施するために、国家非常事態委員会を設置しました。患者や接触者を調査するための緊急対応チームが派遣されています。影響を受けた地域における積極的な患者発見のほか、患者の隔離と管理、接触者の追跡調査、医療従事者・影響を受けている地域・一般市民の間でエボラ出血熱のリスク要因への予防意識の向上が重点的な活動となっています。国際的な共同により患者の隔離施設が設置や計画され、情報や教育教材の開発と配布、集約的なマルチメディア配信が進行中であり、患者やその家族、影響を受けている地域への心理社会的な支援が提供されています。

WHOと関係機関は、国際的な専門家(臨床管理、隔離を含む感染予防と管理、調査と疫学、検査室診断と照会、物流と社会的動員など)の派遣を通じて、集団発生対応への支援を続けています。また、WHOは、金融や人材派遣、個人用防護具(PPE)などの物品の供給の支援を継続しています。

WHOは、この事例に関して、ギニア、リベリア、シエラレオネへの渡航や貿易を制限することを推奨していません。