(No.88)

西アフリカにおけるエボラ出血熱の集団発生(5)  平成26年4月15日更新

(ギニア・リベリア・マリ・シエラレオネ)

4月14日の更新情報です。

ギニア
 ギニア保健省は、4月14日の時点で、108人の死亡者を含む累計168例の臨床的にエボラウイルス病(EVD)として矛盾しない事例を公式に報告しています。

 詳細な状況報告は、4月11日時点の詳細な状況報告では、106人の死亡者を含む159例の臨床的にエボラウイルス病(EVD)として矛盾しない事例が報告されています。コナクリの研究所調査はダカールのパスツール研究所(IP)によりで続いており(66検体を検査して39検体でエボラウイルス陽性)、ゲケドゥの研究所調査は欧州合同臨時研究所(EMLab)により続いています(55検体を検査して36検体でエボラウイルス陽性)。臨床的に矛盾しない事例のうち計71例(45%)が診断確定例であり、残りの34例が可能性例、54例が疑い例です。106人の死亡者のうち42人(40%)が診断確定例です。症例によっては再検査も行いました。

 ギニアの6地域で患者が報告されており、コナクリ県で31例(うち診断確定例22)、ゲケドゥ県で95例(うち診断確定例35)、マセンタ県で21例(うち診断確定例12)、キシドゥーグー県で6例(うち診断確定例1)、ダボラ県で5例(うち診断確定例1)とダンギレ県で1例(うち疑い例1)です。コナクリとゲケドゥにおける臨床的に疑われる症例の最も新しい発症日は4月10日でした。1人の医療従事者(HCW)の感染が報告されており、合計16人となっています(診断確定例11、可能性例5)

 4月10日の時点で37人が退院し、まだ11人の患者が入院しています。流行の初めから接触者は合計941人確認されています。545人の接触者の経過観察が終わり、396人の接触者は経過観察が続いています。

 コナクリの隔離施設であるドンカ病院の医師は、4月1日にマラリア疑いで死亡した親戚の葬儀の際の接触者の集団を調査しています。この患者の接触者の2人が、4月12日に検査でEVD陽性でした。1人の医師もまた、この感染伝搬と関連しており、患者を治療した内科医は、自らの死後、EVDに感染していた事が判明しています。彼はEVDの特徴的な症状で発症しましたが、出血徴候はありませんでした。この集団発生例が起こった結果、病院ベースの監視やトリアージ手順、感染予防やコントロールを強化しました。

 使用している症例定義のサーベイランスや、受け取った検査結果を継続的にデータ検証した結果、今日報告された症例や死亡例の分布が変わってきています。患者数、接触者数は、患者、接触者、検査室診断結果の統合の仕方、監視強化と接触者の追跡活動、研究調査の継続によって、その数が変化するものです。

リベリア
 リベリア保健・社会福祉省(MOHSW)は、4月11日の時点で、26例の臨床的なEVD事例(6例の診断確定例と可能性例と疑い例の20例、うち13例が死亡)を報告しています。最も新しい診断確定例は4月4日で、最も新しい発症例は4月11日です。3人の患者が現在入院しており、5人の疑い例がPCR検査の結果、エボラウイルスは陰性で、退院しました(4人がポン郡、1人がニンバ郡)

 ロファ郡では現在までに症例の38%が報告され(4例の診断確定例と6例の疑い例)、その後マージビ郡でも現在までに23%が報告されています(1例の診断確定例と5例の疑い例)。他の郡でも、ポン郡で5例の疑い例、ニンバ郡で3例の疑い例、モンセラード郡とグランドケープマウント郡でそれぞれ疑い例が1例報告されています。現在35人の接触者が経過観察中で、32人は経過観察お解除されています。EVDに関する死亡累積者数は13人で、ロファ郡で9人、ニンバ郡で1人、マージビ郡で2人、モンセラード郡で1人です。6人の診断確定例が死亡し、うち3人が医療従事者です。

マリ
 4月14日時点でマリの保健省は累積6人の疑い例を報告しています。6人とも経過観察中です(3人は首都のバマコ、2人がKourémalé、1人がクリコロ地域におけるBankoumanaです)。セネガルのダカールにあるパスツール研究所で行われたこれらの患者の検査結果はまもなく判明します。

シエラレオネ
 シエラレオネのEVDに関する疫学状況に、変化ありません。

 WHOは、EVDに関する現在の情報に基づき、ギニア、リベリア、マリ、シエラレオネへの渡航、貿易に関するいかなる制限も勧告していません。