(No.96)

中東呼吸器症候群コロナウイルス感染確定例報告(84) 平成26年4月21日更新

 2014年4月20 日の更新情報です。18日、ギリシャの保健省は、新たに1人の中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)感染確定症例を報告しました。18日に、ギリシャ保健省からWHOに報告された詳細は以下のとおりです。

 サウジアラビア・ジェッダ在住の69歳ギリシャ人男性は、17日に故郷のギリシャへ帰省しました。一方、ジェッダにいる4月8日から10日に、下痢と発熱を伴う症状のため病院を受診し、腸チフス疑いの診断を受けていました。注目すべきことに、患者は3月31日から4月5日まで腸チフスで同じ病院に入院している妻を定期的に見舞っていました。患者は17日にギリシャ到着後に治療を求め、インフルエンザの国家リファレンス研究施設で両側性肺炎とMERS-CoV感染症と診断されました。現在は適切な治療を受け、状態は安定しています。

 これはギリシャにおける初の感染確定例となります。

 航空機内やギリシャの病院・地域で患者と濃厚接触した人が同定され、追跡調査(健康監視)されています。今のところ、いずれの人も発症していません。ギリシャの保健当局は国民に知らせる為の記者会見を行い、ギリシャの全病院に対しては、疑わしい患者の特定と適切な予防措置の実施の為に必要な手段を周知しました。

 2012年9月から現在まで、世界中からWHOに報告されたMERS-CoV感染患者は250人で、このうち93人が死亡しています。