(No.97)

 西アフリカにおけるエボラ出血熱の集団発生(8) 平成26年4月24日更新

ギニア
 4月20日18時時点で、ギニアの保健省(MOH)は累計208例のエボラウイルス感染症、うち136人が死亡したことを報告しました。現時点で、169例がエボラウイルスについて検査中112例が診断確定例、うち69例が死亡しています。さらに、41例(うち34例が死亡)がエボラウイルス感染症の定義に沿った可能性例で、55例(うち33例が死亡)が疑い例として分類されています。25例の医療従事者(HCW)が感染死(18例が診断確定例)うち16例(12例が診断確定例)が死亡しています。

 コナクリからエボラウイルス感染症の臨床症例は53例、うち23例が死亡と報告され、ゲケトゥは122例、うち87例が死亡、マセンタは22例、うち16例が死亡(増なし)、キシドーグーは6例、うち5例が死亡(増なし)、ダボラは4例、うち4例が死亡(増なし)、ディンギラエ1例、うち1例が死亡(増なし)との報告です。コナクリから診断確定例は37例、うち19例が死亡、ゲケトゥは60例、うち38例が死亡、マセンタは13例、うち10例が死亡、キシドーグーは1例、うち1例が死亡、ダボラは1例、うち1例が死亡との報告です。20日のコナクリとゲケトゥからの最新情報では新たに3例が隔離され、そのうち2例が診断確定例で、既存の症例の中で新たに5例が死亡しました。死亡者のうち5例すべてが診断確定例です。21例の患者が現在隔離されており、詳細はコナクリで21例、ゲケトゥで8例、マセンタで1例です。16例が回復し、退院しています。

 接触者の活動調査はすべての地域で続けられています。合計217例の接触者が現在経過観察中で、92例が21日間のフローアップ期間を過ぎました。

 症例数や接触者数は、サーベイランスや接触者追跡調査が強化され、検査室検査が継続されることで症例や、接触者、検査データが統合されるにつれて更新訂正される可能性があります。

 エボラウイルス感染症の潜伏期間が3週を越えて、疑い症例が近隣諸国で確認される可能性はあり、ギニア保健当局から新たな症例報告があるかもしれません。 
リベリア
 リベリアで最初に診断確定例が確認された3月13日から4月21日までに、リベリア保健・社会福祉省(MOHSW)は6人の死亡者、2例の可能性例、26例の疑い例を含む累計34例の臨床的にエボラウイルス感染症として矛盾しない事例を報告しています。最近では4月6日に診断確定例が確認され、4月10日に入院例が確認されています。

 可能性例は、ロファ郡 やマージビ郡から報告されています。一方、疑い症例はサーベイランス強化と接触者追跡調査により、ポン、グランドケープマウント、モンセラード郡とニンバ郡から報告されています。

 MOHSWによる診断確定例は症例定義や検査結果が見直され、3例から2例に減少しました。また、死亡者数は13例から11例に改訂されています。ギニアのエボラウイルス感染症統計で死亡1例、処分された症例からも1例発見されました。32例のサンプルで臨床検査を実施し、これまでに6例のエボラウイルス陽性がでています。将来的に、現在リベリアから報告されている疑い症例のほとんどは再分類され、症例数から外されることになる可能性があります。

 次のデータ評価で、リベリアの接触者数は合計162名で、エボラウイルス感染症流行地域の中心であるフォヤ郡とロファ郡では全体の72%を占める116名、マージビ郡では全体の17%を占める28人がフォローされています。

 全体の36%を占める59人の接触者は21日間のフォローアップ期間を過ぎ、経過観察を終了しています。
シオラレオネ
 2014年4月22日時点で、エボラウイルス感染症として矛盾しない19例の臨床サンプルがケネマ政府病院で検査されています。19例すべてでエボラウイルス陰性でした。

 またサーベイランス強化の一環として、シオラレオネの保健衛生省は、ケネマ病院のラッサ熱隔離病棟のラッサ熱ウイルス感染症陰性を呈した患者で他のウイルス性出血熱疾患の調査のためにサンプル検査を実施します。2014年3月16日に追加で収集された24例の血液サンプルを分析したところ、検査結果はすべてエボラウイルス陰性でした。

 WHOは、この事例に関して、ギニア、リベリア、シエラレオネへの渡航や貿易を制限することを推奨していません。