(No.107)

西アフリカにおけるエボラ出血熱の集団発生(11) 平成26年5月7日更新

ギニア
 5月1日18時の時点で、ギニアの保健省(MOH)は累計226例のエボラウイルス病(EVD)、うち149人が死亡したことを報告しました。現時点で、210例がエボラウイルスについて検査中で、127例がポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)により診断確定し、うち81例が死亡しています。さらに44例(うち34例が死亡)がエボラウイルス感染症の定義に沿った可能性例で、55例(うち34例が死亡)が疑い例として分類されています。25例の医療従事者(HCW)が感染し(18例が診断確定例)うち16例(11例が診断確定例)が死亡しています。ギニアでは7例の患者が隔離されており、内訳はコナクリで4例(うち2例が診断確定例)ゲケドゥで3例(全てが診断確定例)です。

 流行の始まりからのEVDの臨床例の地理的分布ですが、コナクリで53例(うち24例が死亡)、ゲケドゥで140例(うち99例が死亡)、マセンタで22例(うち16例が死亡)、キシドーグーで6例(うち5例が死亡)、ダボラで4例(うち4例が死亡)、ディンギラエで1例(うち1例が死亡)です。

 流行の始まりからの診断確定例と死亡例の数ですが、コナクリで40例(うち20例が死亡)、ゲケドゥで72例(うち49例が死亡)、マセンタで13例(うち10例が死亡)、キシドーグーで1例(うち1例が死亡)、ダボラで1例(うち1例が死亡)です。直近の診断確定例で、隔離された場所は、4月30日のコナクリとゲケドゥです。

 コナクリとゲケドゥでは引き続き、接触者の活動調査が行われています。疫学と社会的流動性の専門家が、ゲケドゥの接触者調査チームの強化の為に配置される予定です。他の4ヶ所の接触者全員が観察強化期間の21日が過ぎ、経過観察が終わりました。

 症例や接触者や検査データの強化、監視活動や接触者の活動調査の強化により、症例数と接触者数が変更される場合があります。PCR検査が陰性の臨床症例を検査するためのエボラウイルスの血清学的検査が最近導入されたとにより、検査による診断確定例の最終的な数が変わりそうです。

 EVDの潜伏期間は3週間です。ギニアの保健当局は今後数週間、新たな症例を報告する可能性があります、そして近隣諸国でさらなる疑い例も出てくるかもしれません。
リベリア
 リベリア保健・社会福祉省(MOHSW)はEVDの最終的な検査結果に基づき、EVDの臨床例を改訂する過程を完了しました。PCRかIgM抗体が陽性となった全てのEVD症例は、「感染直後の診断確定例」と再分類され、PCRが陰性でIgGが陽性となった症例は「回復期の診断確定例」として分類されました。疑い例の再分類に続き、5月2日時点でリベリアでのEVDの臨床報告数は13例(6例が診断確定例、2例が可能性例で、5例が疑い例)でうち11例が死亡例です。診断確定例2例がHCWでどちらも死亡しました。4月6日以降、リベリアでは新たな臨床例がありません。

 上記の基準はリベリアでこれから起こるEVDの症例を分類するために使われるでしょう。さらに、PCR法や血清学的検査にいずれも行われていない、または再検査の結果があいまいなままでない、どちらの状況下でも、臨床的に互換性のある病気や診断確定例として分かっている疫学的な繋がりの証拠に基づき、将来の臨床例や死亡例は可能性例か疑い例のどちらかに分類されるでしょう。

 WHOは、この事例に関する現在の情報からは、ギニア、リベリア、シエラレオネ、マリへの渡航や貿易を制限することを推奨していません。