(No.116)

西アフリカにおけるエボラ出血熱の集団発生(16) 平成26年5月19日更新

ギニア
 5月12日18時の更新情報です。ギニア保健省(MOH)は、171例の死亡例を含む累計248例のエボラウイルス疾患(EVD)の診断確定例を報告しました。5月9日の最後の更新以降、エボラウイルスのPCR検査による例診断確定例が新たに発生しましたが、その中に死亡例はありません。

 症例の再分類、回顧調査、データ調整により、92例の死亡例を含む138例の診断確定例が報告されました。67例の可能性例のうち57例が死亡(新たに可能性例3例が死亡)、43例の疑い例のうち22例が死亡しています。集団発生の始まりからのEVDの臨床例の地理的分布は、コナクリで50例(24)、ゲケドゥで163例(119)、マセンタで22例(17)、キシドゥーグーで8例(6)、ダボラで4例(4)、ディンギラエで1例(1)です。

 集団発生の始まりからの診断確定例と死亡例の累計は、コナクリで40例(20)、ゲケドゥで83 例(60)、マセンタで12例(10)、キシドゥーグーで2例(1)、ダボラで1例(1)です。

 キシドゥーグーでは4月1日以降、マセンタでは4月9日以降、コナクリでは4月26日以降、新たな症例は報告されていません。ディンギラエとダボラでは、3月の終わり以降に新たな症例は報告されていません。コナクリで新たに追加症例が同定されなければ、5月17日をもって接触者追跡調査による監視期間が終了します。

 ゲケドゥでは5月11日に新たに症例が報告され、現在合計480人の接触者(コナクリで5人、ゲケドゥで475人)が監視下にあります。

 サーベイランスや接触者の追跡調査が強化され、症例や検査データが統合されることにより、症例数が変更になる可能性が残っています。PCR検査が陰性の臨床症例を検査するため、血清学的検査を導入したことにより、検査による診断確定例の最終的な数が変わりそうです。
リベリア・シエラレオネ
 リベリアとシエラレオネには、新たな警報(注意喚起)は発令されていません。リベリアは、コートジボアールとシエラレオネと国境を越えた会議を開催するための準備を進めています。また、ギニアとの国境付近でサーベイランス強化を実施しています。

 現在までに、90人の専門家はギニア、22人はリベリア、2人がシエラレオネ、そして4人がWHOアフリカ地域担当オフィスに派遣されています。

 さらに、7人が配置され、医療人類学、臨床症例管理、監視、疫学、検査サービス、物流、リスコミ、広報の各分野の訓練が計画されています。

 世界保健機関(WHO)は、この事例に関する現在の情報からは、ギニアやリベリアへの渡航や貿易を制限することを推奨していません。