中東呼吸器症候群コロナウイルス感染確定例報告（93） 平成26年5月19日更新
2014年5月15 日の更新情報です。ヨルダン、レバノン、オランダ、アラブ首長国連邦、米国から報告された中東呼吸器症候群（MERS-CoV）感染確定例は以下の通りです。
オランダ
2014年5月14日、オランダのIHR連絡窓口は世界保健機関（WHO）にオランダ初のMERS-CoV感染確定例を報告しました。患者はオランダ在住の70歳男性で、4月26日から5月10日の間、サウジアラビアへの渡航歴があります。
患者は5月1日にサウジアラビアのメディナ滞在中に最初の症状を認め、6日にメッカの救急医療部で診察を受け、抗生剤を処方されました。サウジアラビア滞在中は呼吸器症状を認めませんでしたが、10日にオランダへ帰国した後、呼吸器症状の出現で状態が悪化し、同日入院しました。13日にMERS-CoV陽性と判定されました。現在、ICUで安定しています。
患者は動物との接触も非加熱の食肉を食べたとの報告もありません。飛行機などを含む接触者の追跡が開始されました。
米国
2014年5月12日、米国IHR連絡窓口は、サウジアラビアのジェッダで医療従事者として働く40歳の男性を、同国で2例目となるMERS-CoV感染確定例として報告しました。
男性は、5月1日にジェッダからロンドンのヒースロー空港を経由して、マサチューセッツ州ボストン、ジョージア州アトランタ、フロリダ州オーランドの順に仕事で渡航しています。
5月1日にジェッダからロンドンへのフライト中に微熱、悪寒、咳といった体調不良を自覚し、9日に救急科を受診し入院しました。現在、状態は安定しています。
米疾病管理センター（CDC）の国際移住検疫局（DGMQ）は、接触者の同定、所在地、聞き取りのために、航空会社はもちろんのこと地方、州、国際的パートナーと共に乗客名簿の収集を続けています。
アラブ首長国連邦
2014年5月11日、アラブ首長国連邦（UAE）IHR連絡窓口は新たにアブダビ在住の9例のMERS-CoV感染確定例を報告しました。2人はUAE、1人はオマーン、残り6人の国籍は様々ですが全員アブダビ在住です。
アブダビ在住、オマーン出身の51歳男性は4月18日に発熱で発症、20日に入院し23日にMERS-CoV陽性と診断されました。現在は隔離入院中で、状態は安定しています。合併症はありますが、渡航歴、動物との接触歴、MERS-CoV感染確定例との接触歴はありません。この症例に関して、オマーンのIHR NFPはすでに情報を得ています。
アブダビ在住の39歳医療従事者の女性は接触調査の一貫で発見されました。4月25日にMERS-CoV陽性と確定診断されましたが、無症状です。4月18日にWHOに報告されたMERS-CoV感染確定例との接触歴があります。合併症、渡航歴、動物との接触歴はありません。
アブダビ在住のUAE出身の30歳男性です。4月24日、咳や息切れの症状で救急科を受診しましたが、状態が安定していたために外来処置となりました。25日にMERS-CoV陽性と確定診断され、現在は入院し、状態は安定しています。合併症はありますが、渡航歴、動物との接触歴、MERS-CoV感染確定例との接触歴はありません。
アブダビ在住のUAE出身の42歳男性は、最初の症例との接触者調査で発見されており、無症候です。4月25日にMERS-CoV陽性と確定診断されました。渡航歴や動物との接触歴はありません。
アブダビ在住の44歳医療従事者の男性です。4月19日に軽い咽頭痛を自覚し始めました。13日、17日にWHOへ報告された確定例と懇親会で接触していました。21日にMERS-CoV陽性と確定診断され、22日入院し、5月1日に退院しました。合併症、有意な渡航歴、動物との接触歴はありません。
アブダビ在住の41歳病院勤務の男性です。感染確定例との接触歴はなく、勤務する病院のスクリーニング検査の一貫として実施されましたが、無症候です。4月21日にMERS-CoV陽性と確定診断され、22日入院し、27日に退院しました。合併症、有意な渡航歴、動物との接触歴はありません。
アブダビ在住の68歳病院勤務の男性です。感染確定例との接触歴はなく、勤務する病院のスクリーニング検査の一貫として実施されましたが、無症候です。4月23日にMERS-CoV陽性と確定診断され、24日入院し、30日に退院しました。合併症はありますが、有意な渡航歴、動物との接触歴はありません。
アブダビ在住の45歳病院勤務の男性です。感染確定例との接触歴はなく、勤務する病院のスクリーニング検査の一貫として実施されましたが、無症候です。4月26日にMERS-CoV陽性と確定診断され、同日隔離入院し、5月1日に退院しました。合併症、有意な渡航歴、動物との接触歴はありません。
5月8日、UAEのIHR連絡窓口は追加で4人のMERS-CoV感染確定例を報告しました。
アブダビ在住の37歳建設作業員（外国人出稼ぎ男性）です。4月23日に発症し、29日に入院し、5月1日にMERS-CoV陽性と確定診断され、現在ICUに重篤ながらも安定した状態で入院しています。合併症、渡航歴、動物や感染確定例との接触歴はありません。
アブダビの診療所の38歳の医療執務官の女性です。4月20日に発症し、26日に入院し、最初のMERS-CoV検査は陰性でしたが、27日のフォローアップ検査で5月1日に陽性と診断されました。現在ICUに重篤ながらも安定した状態で入院しています。幾つかの合併症をもっていますが、渡航歴、動物や感染確定例との接触歴、絞りたてのラクダの非加熱ミルクの摂取歴などはありません。
アブダビ在住の61歳の仕立ての外国人店主の男性です。3月18日から心房細動と慢性閉塞性肺疾患（COPD）で入院しています。4月29日に検体採取し、検体は研究室へ送られ、5月1日にMERS-CoV陽性と診断されました。現在ICUに重篤ながらも安定した状態で入院しています。渡航歴、動物や感染確定例との接触歴、絞りたてのラクダの非加熱ミルクの摂取歴などはありません。
アブダビ在住の34歳外国籍の女性です。感染確定例との接触歴はなく、職場のスクリーニング検査の一貫として感染が判明しました、無症候です。4月29日に検体採取し、検体は研究室へ送られ、5月1日にMERS-CoV陽性と診断されました。MERS-CoV陽性と確定診断ました。合併症、渡航歴、診断確定例や動物との接触歴はありません。患者はベジタリアンですが、唯一殺菌酪農製品は摂取します。
4月8日、UAEのIHR連絡窓口は今までに報告されていない追加1例をWHOに報告しました。
アブダビ在住の59歳農場従事者の男性です。3月28日に熱性疾患で発症し、30日に入院し、ICUで治療を受けています。4月3日にMERS-CoV陽性と確定診断されました。MERS-CoV感染確定例との接触歴があったと報告されています。
公衆衛生当局は、必要時にさらなる情報を伝えられるよう、接触者追跡調査や疫学調査を継続します。
ヨルダン
2014年5月11日、ヨルダンのIHR連絡窓口は追加例をWHOに報告しました。
ヨルダン・ザルカ県在住の50歳医療従事者の男性で、5月7日に発症し、10日に症状悪化し、胸部レントゲン撮影により肺炎と診断されました。同日入院し、MERS-CoV陽性と確定診断されました。現在、状態は安定しています。2人のMERS-CoV診断確定例との接触歴がありますが、渡航歴や動物との接触歴はありません。
レバノン
2014年5月8日、レバノンのIHR連絡窓口は初のMERS-CoV診断確定例を報告しました。
4月22日、レバノン国籍の60歳の医療従事者が高熱を訴えました。27日に発熱、呼吸困難、湿性咳嗽を主症状に肺炎と診断され、30日に入院しました。5月2日にMERS-CoV陽性と確定診断されました。合併症がありました。入院中は症状が安定しており、5月7日に退院しています。
感染確定例や動物との接触歴、非加熱のラクダのミルクの摂食歴もありません。発症前14日間の渡航歴も報告されていません。
患者は、特にクエート、サウジアラビア、UAE等の湾岸地域への広範囲な渡航歴があるということで、現在詳細を調査中です。ここ最近の渡航歴として、発症5週間前にUAE、発症8週間前にMERS-CoV感染者が急増していたジッダの病院を訪れています。
世界で、WHOに報告されたMERS-CoV感染確定例は572人で、173人が死亡しています。この数字は、5月5日～5月9日のサウジアラ ビアからWHOに報告された58例を追加しています。WHOはサウジアラビアと協力し、報告された追加情報をできるだけ早く更新しています。
オランダ
2014年5月14日、オランダのIHR連絡窓口は世界保健機関（WHO）にオランダ初のMERS-CoV感染確定例を報告しました。患者はオランダ在住の70歳男性で、4月26日から5月10日の間、サウジアラビアへの渡航歴があります。
患者は5月1日にサウジアラビアのメディナ滞在中に最初の症状を認め、6日にメッカの救急医療部で診察を受け、抗生剤を処方されました。サウジアラビア滞在中は呼吸器症状を認めませんでしたが、10日にオランダへ帰国した後、呼吸器症状の出現で状態が悪化し、同日入院しました。13日にMERS-CoV陽性と判定されました。現在、ICUで安定しています。
患者は動物との接触も非加熱の食肉を食べたとの報告もありません。飛行機などを含む接触者の追跡が開始されました。
米国
2014年5月12日、米国IHR連絡窓口は、サウジアラビアのジェッダで医療従事者として働く40歳の男性を、同国で2例目となるMERS-CoV感染確定例として報告しました。
男性は、5月1日にジェッダからロンドンのヒースロー空港を経由して、マサチューセッツ州ボストン、ジョージア州アトランタ、フロリダ州オーランドの順に仕事で渡航しています。
5月1日にジェッダからロンドンへのフライト中に微熱、悪寒、咳といった体調不良を自覚し、9日に救急科を受診し入院しました。現在、状態は安定しています。
米疾病管理センター（CDC）の国際移住検疫局（DGMQ）は、接触者の同定、所在地、聞き取りのために、航空会社はもちろんのこと地方、州、国際的パートナーと共に乗客名簿の収集を続けています。
アラブ首長国連邦
2014年5月11日、アラブ首長国連邦（UAE）IHR連絡窓口は新たにアブダビ在住の9例のMERS-CoV感染確定例を報告しました。2人はUAE、1人はオマーン、残り6人の国籍は様々ですが全員アブダビ在住です。
アブダビ在住、オマーン出身の51歳男性は4月18日に発熱で発症、20日に入院し23日にMERS-CoV陽性と診断されました。現在は隔離入院中で、状態は安定しています。合併症はありますが、渡航歴、動物との接触歴、MERS-CoV感染確定例との接触歴はありません。この症例に関して、オマーンのIHR NFPはすでに情報を得ています。
アブダビ在住の39歳医療従事者の女性は接触調査の一貫で発見されました。4月25日にMERS-CoV陽性と確定診断されましたが、無症状です。4月18日にWHOに報告されたMERS-CoV感染確定例との接触歴があります。合併症、渡航歴、動物との接触歴はありません。
アブダビ在住のUAE出身の30歳男性です。4月24日、咳や息切れの症状で救急科を受診しましたが、状態が安定していたために外来処置となりました。25日にMERS-CoV陽性と確定診断され、現在は入院し、状態は安定しています。合併症はありますが、渡航歴、動物との接触歴、MERS-CoV感染確定例との接触歴はありません。
アブダビ在住のUAE出身の42歳男性は、最初の症例との接触者調査で発見されており、無症候です。4月25日にMERS-CoV陽性と確定診断されました。渡航歴や動物との接触歴はありません。
アブダビ在住の44歳医療従事者の男性です。4月19日に軽い咽頭痛を自覚し始めました。13日、17日にWHOへ報告された確定例と懇親会で接触していました。21日にMERS-CoV陽性と確定診断され、22日入院し、5月1日に退院しました。合併症、有意な渡航歴、動物との接触歴はありません。
アブダビ在住の41歳病院勤務の男性です。感染確定例との接触歴はなく、勤務する病院のスクリーニング検査の一貫として実施されましたが、無症候です。4月21日にMERS-CoV陽性と確定診断され、22日入院し、27日に退院しました。合併症、有意な渡航歴、動物との接触歴はありません。
アブダビ在住の68歳病院勤務の男性です。感染確定例との接触歴はなく、勤務する病院のスクリーニング検査の一貫として実施されましたが、無症候です。4月23日にMERS-CoV陽性と確定診断され、24日入院し、30日に退院しました。合併症はありますが、有意な渡航歴、動物との接触歴はありません。
アブダビ在住の45歳病院勤務の男性です。感染確定例との接触歴はなく、勤務する病院のスクリーニング検査の一貫として実施されましたが、無症候です。4月26日にMERS-CoV陽性と確定診断され、同日隔離入院し、5月1日に退院しました。合併症、有意な渡航歴、動物との接触歴はありません。
5月8日、UAEのIHR連絡窓口は追加で4人のMERS-CoV感染確定例を報告しました。
アブダビ在住の37歳建設作業員（外国人出稼ぎ男性）です。4月23日に発症し、29日に入院し、5月1日にMERS-CoV陽性と確定診断され、現在ICUに重篤ながらも安定した状態で入院しています。合併症、渡航歴、動物や感染確定例との接触歴はありません。
アブダビの診療所の38歳の医療執務官の女性です。4月20日に発症し、26日に入院し、最初のMERS-CoV検査は陰性でしたが、27日のフォローアップ検査で5月1日に陽性と診断されました。現在ICUに重篤ながらも安定した状態で入院しています。幾つかの合併症をもっていますが、渡航歴、動物や感染確定例との接触歴、絞りたてのラクダの非加熱ミルクの摂取歴などはありません。
アブダビ在住の61歳の仕立ての外国人店主の男性です。3月18日から心房細動と慢性閉塞性肺疾患（COPD）で入院しています。4月29日に検体採取し、検体は研究室へ送られ、5月1日にMERS-CoV陽性と診断されました。現在ICUに重篤ながらも安定した状態で入院しています。渡航歴、動物や感染確定例との接触歴、絞りたてのラクダの非加熱ミルクの摂取歴などはありません。
アブダビ在住の34歳外国籍の女性です。感染確定例との接触歴はなく、職場のスクリーニング検査の一貫として感染が判明しました、無症候です。4月29日に検体採取し、検体は研究室へ送られ、5月1日にMERS-CoV陽性と診断されました。MERS-CoV陽性と確定診断ました。合併症、渡航歴、診断確定例や動物との接触歴はありません。患者はベジタリアンですが、唯一殺菌酪農製品は摂取します。
4月8日、UAEのIHR連絡窓口は今までに報告されていない追加1例をWHOに報告しました。
アブダビ在住の59歳農場従事者の男性です。3月28日に熱性疾患で発症し、30日に入院し、ICUで治療を受けています。4月3日にMERS-CoV陽性と確定診断されました。MERS-CoV感染確定例との接触歴があったと報告されています。
公衆衛生当局は、必要時にさらなる情報を伝えられるよう、接触者追跡調査や疫学調査を継続します。
ヨルダン
2014年5月11日、ヨルダンのIHR連絡窓口は追加例をWHOに報告しました。
ヨルダン・ザルカ県在住の50歳医療従事者の男性で、5月7日に発症し、10日に症状悪化し、胸部レントゲン撮影により肺炎と診断されました。同日入院し、MERS-CoV陽性と確定診断されました。現在、状態は安定しています。2人のMERS-CoV診断確定例との接触歴がありますが、渡航歴や動物との接触歴はありません。
レバノン
2014年5月8日、レバノンのIHR連絡窓口は初のMERS-CoV診断確定例を報告しました。
4月22日、レバノン国籍の60歳の医療従事者が高熱を訴えました。27日に発熱、呼吸困難、湿性咳嗽を主症状に肺炎と診断され、30日に入院しました。5月2日にMERS-CoV陽性と確定診断されました。合併症がありました。入院中は症状が安定しており、5月7日に退院しています。
感染確定例や動物との接触歴、非加熱のラクダのミルクの摂食歴もありません。発症前14日間の渡航歴も報告されていません。
患者は、特にクエート、サウジアラビア、UAE等の湾岸地域への広範囲な渡航歴があるということで、現在詳細を調査中です。ここ最近の渡航歴として、発症5週間前にUAE、発症8週間前にMERS-CoV感染者が急増していたジッダの病院を訪れています。
世界で、WHOに報告されたMERS-CoV感染確定例は572人で、173人が死亡しています。この数字は、5月5日～5月9日のサウジアラ ビアからWHOに報告された58例を追加しています。WHOはサウジアラビアと協力し、報告された追加情報をできるだけ早く更新しています。