(No.122)

中東呼吸器症候群コロナウイルス感染確定例報告(96) 平成26年5月26日更新

 2014年5月23日の更新情報です。5月21日、アラブ首長国連邦(UAE)の国際保健規則(IHR)担当窓口は、アブダビにおける3例の中東呼吸器症候群コロナウイルス (MERS-CoV) 感染確定例を世界保健機関(WHO)に報告しました。
症例の詳細は以下の通りです。

 1例目:アブダビ出身の71歳男性で、2014年2月11日に入院しています。いくつかの合併症を持っています。5月4日に発熱し、5月7日にPCR検査によってMERS-CoV陽性と診断されました。現在、状態は安定しています。入院中、5月11日に診断確定例としてWHOに報告された医療従事者の39歳女性との接触がありました。動物との接触歴やラクダの非加熱製品の摂取歴はありません。

 2例目:アブダビ出身の26歳男性です。5月7日に職場の一般スクリーニング検査でMERS-CoV確定例との接触歴がないにも関わらず、発見されました。5月8日にPCR検査でMERS-CoV陽性と診断されました。スクリーニング時には無症候でしたが、5月1日には軽度の咳を認めていたことが分かっています。合併症や渡航歴はありません。動物との接触歴はありますがラクダではなく牛や羊で、ラクダの非加熱製品の摂取歴はありません。5月8日に隔離病棟に入院し、5月14日に退院しています。

 3例目:アブダビ出身の36歳男性で、5月2日に発熱と軽度の呼吸困難を含む症状が出現し、4日に外来を受診、状態が悪化し、7日に高度の発熱と呼吸困難で入院しています。5月9日にPCR検査によってMERS-CoV陽性と診断されました。その後、状態は改善し、5月12日に退院しています。合併症はありますが、確定診断例との接触歴や渡航歴は報告されていません。また、動物との接触歴やラクダの非加熱製品の摂取歴はありません。

 接触者の追跡調査は継続中で追加情報は随時報告されます。

 2012年9月から現在まで、世界中からWHOに公式に報告されたMERS-CoV感染患者は635人で、このうち193人が死亡しています。この合計 数は今回報告された患者を含んでおり、5月16日から18日までの間にサウジアラビアからWHOに公式に報告された17例の診断確定例が含まれています。 WHOは患者の追加情報に関してサウジアラビアと協力して、できるだけ早く最新情報を提供していく予定です。