(No.134)

中東呼吸器症候群コロナウイルス感染確定例報告(99) 平成26年6月12日更新

 2014年6月11日の更新情報です。

 2014年5月26日イラン・イスラム共和国の国際保健規則(IHR)担当窓口は、同国で初となる中東呼吸器症候群コロナウイルス (MERS-CoV) 感染確定例を2例、世界保健機関(WHO)に報告しました。2例の患者は、ケルマン州在住の姉妹です。

 症例の詳細は以下の通りです。
 1例目、52歳の女性で、5月11日に発症し、同日に病院に入院しました。現在、危篤状態です。女性は既往歴(基礎疾患)の存在が知られています、渡航歴はありません。しかし、サウジアラビアへウムラ(小巡礼)のため行き、その後インフルエンザ様症状(ILI)を呈した女性との濃厚接触歴がありました。また、病気になる前の14日間、動物との接触歴はなく、生のラクダ製品の消費歴もありません。

 2例目、50歳の女性で、5月11日に発症し、17日に病院に入院しました。現在、安定した状態です。女性は既往歴(基礎疾患)の存在が知られていますが、渡航歴はありません。上述した52歳の姉と濃厚接触があったと伝えられています。病気になる前の14日間、動物との接触歴や生のラクダ製品の消費歴はありません。

 家族や同じ病院に入院している他の患者や医療従事者など、上述した患者との接触者全員が現在、地方の保健当局やイランの疾病対策センターにより調査中です。いくつかの対策が、姉妹が入院している病院で行われています。親戚、空港職員、ウムラや旅行から戻った巡礼者に、関連する情報や知識(指示)が伝えられているところです。

 2012年9月から現在まで、世界中からWHOに公式に報告されたMERS-CoV感染確定患者は683人で、このうち204人が死亡しています。この合計 数は今回報告された患者を含んでおり、5月19日から6月2日までの間にサウジアラビアからWHOに公式に報告された44例の診断確定例が含まれています。 WHOは患者の追加情報に関してサウジアラビアと協力して、できるだけ早く最新情報を提供していく予定です。