(No.143)

西アフリカにおけるエボラ出血熱の集団発生(25) 平成26年6月27日更新

ギニア
 2014年6月18日から20日の間に、エボラウイルス疾患(EVD)の新患者報告はありませんでしたが、ゲケドゥから2人、テリメレから1人の合計3人の死亡が報告されました。ギニアから報告された累計患者数は390人(確定例260例、可能性例87例、疑い例43例)、累計死亡者数は270人になりました。
 患者と死亡者の地理的分布の内訳は、コナクリは患者65人(死亡者33人)、ゲケドゥは患者226人(死亡者177人)、マセンタは患者41人(死亡者28人)、ダボラは患者4人(死亡者4人)、キシドゥグは患者6人(死亡者5人)、ディンギラエは患者1人(死亡者1人)、テリメレは患者25人(死亡者9人)、ボッファは患者21人(死亡者12人)、クルーサは患者1人(死亡者1人)となりました。現在19人の患者(コナクリ9人、ゲケドゥ9人、テリメレ1人)がEVD 治療センターに入院しています。
 調査が実施されている接触者数は1147人(コナクリ196人、ゲケドゥ520人、マセンタ29人、テリメレ70人、デブレカ118人、クルーサ16人、ボッファ198人)です。73%(流行開始から4245人の接触者に対して調査を実施したうちの3098人)が監視期間である21日の期限を終了しています。

シエラレオネ
 2014年6月18日から20日の間に、シエラレオネではEVD新患者報告はありませんでしたが、カイラフンから3人、ケネマから1人の合計4人の死亡が報告されました。シエラレオネから報告された累計患者数は158人(確定例147例、可能性例8例、疑い例3例)、累計死亡者数は34人となりました。
 患者と死亡者の地理的分布の内訳は、カイラフンは患者135人(死亡者32人)、カンビアは患者1人(死亡なし)、ポートロコは患者2人(死亡なし)、ケネマは患者19人(死亡なし)、西部は患者1人(死亡なし)となりました。
 現在調査が実施されている接触者数は、カイラフンで37人です。地域保健担当者は調査を実施するための訓練を受けており、ケネマ、カイラフン、カンビア、ポートロコで接触者の調査が続いています。

リベリア
 2014年6月19日から22日の間に、新たな患者10人と死亡者8人が、ロファ(患者5人、死亡者6人)とモンセラード(患者2人、死亡者2人)から報告されました。リベリアから報告された累計患者数は51人(確定例34例、可能性例10例、疑い例7例)、累計死亡者数は34人になりました。
患者と死亡者の地理的分布の内訳は、ロファは患者36人(死亡者21人)、モンセラードは患者11人(死亡11人)、マルギビは患者2人(死亡者2人)、ニンバは患者2人(死亡者なし)となりました。現在15人の患者がロファのEVD治療センターに入院しています。
 調査が実施されている接触者数は、国全体で232人(ロファ112人、モンセラード120人)です。これまでに、40.7%(流行開始から391人の接触者に対して調査を実施したうち159人)が監視期間である21日の期限を終了しています。
 
 WHOと協力機関は、地域と医療機関におけるウイルスの伝播を止めるために、必要な技術支援を保健省へ提供しています。その中には、調整、情報管理とコミュニケーションを強化するために、影響を受けた3ヶ国の政府とのハイレベルな擁護会議を含みます。WHO地域事務局長は、本部事務局長と相談し、直接影響を受けた国を支援するために、WHO地域内のEVD流行対策コーディネーターを一時的に設置しました。コーディネーターは、ギニアのコナクリに拠点を置きます。さらに、WHOは2014年7月2日から3日にガーナのアクラで地域の厚生大臣や技術的専門家と鍵となる利害関係者とのハイレベルな会議を開く予定です。会議の目的は政治的関与を強化し各国地域の国境におけるEVD対策での協調を確実にすることです。WHO、GOARN(地球規模感染症に対する警戒と対応ネットワーク)、その他の協力機関は同時に各保健省の EVD流行対策を支援するため様々な専門家(疫学者、社会的動員、症例管理、特に物流管理)を派遣しています。次回の3カ国の国境会議が2014年6月23日にシエラレオネのカイラフンで計画されています。
 WHOは、この事例に関する現在の情報からは、ギニア、リベリア、シエラレオネへの渡航や貿易を制限することを推奨していません。