(No.148)

中東呼吸器症候群コロナウイルス感染確定例報告(105) 平成26年6月27日更新

 6月3日、サウジアラビアの国際保健規則(IHR)担当窓口は、死亡例34例を含む113例の中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)の感染確定例を世界保健機関(WHO)に報告しました。これらの症例と死亡例は、2013年5月5日から2014年5月6日の間の病院の記録再調査により判明しました。
 症例の大部分(84例)は2014年3月1日以降に発生し、残りの症例(29例)は2013年5月5日から2014年2月28日までの間に発生しています。

 113例の地域別の分布は以下のとおりです。
 メッカ州49例(ジェッダ44例、メッカ2例、ターイフ2例、シャミーア1例)、リヤド州47例(リヤド21例、カフジ12例、ダラム9例、ワディ・アッダワッシャー2例、アフラージ2例、ハナキア1例)、メディナ州9例(メディナ8例、ヤンブー1例)、東部州4例(ハッサ2例、ダンマーム1例、ハファル・アル=バーティン1例)、アスィール州2例(ハミース・ムシャイト1例、ビシャー1例)、タブーク州1例(タブーク)、ジャウフ州1例(ジャウフ)

 113例のうち69人はサウジアラビア国籍ですが、44人はサウジアラビア国籍ではありません。
 症例の年齢中央値は41歳(生後3ヶ月から89歳まで)で、57%(64例)は男性です。
 症状に関する情報は、113例のうち111例から報告されました。111例のうち32例は無症状で、79例は症状の報告がありました。症状があった79例のうち、70例は入院の報告がありました。既存の基礎疾患に関する情報は何も提供されませんでした。
 113例の最終的な結果報告は、回復76例、入院中3例、死亡34例でした。
 113例のうち72例は、感染源に関する情報が報告されました。18例はコミュニティレベルでの非ヒト感染、54例は他のヒトから感染しました。他のヒトから感染した症例の内訳は、医療従事者41例、世帯内13例でした。
 113例のうち42例(37%)は、医療従事者です。42例のうち、19例は無症状で、23例は症状の報告がありました。これらの症例の重症度に関する情報は報告されませんでした。この42例の最終的な結果報告は、回復39例、入院中1例、死亡2例でした。
 113例の特徴は、過去に報告された内容と同様です。流行の様式や動き、リスク評価に変更はありません。

 現在までに、世界中からWHOに公式に報告されたMERS-CoV感染確定患者は820人で、このうち286人が死亡しています。この累計数は、今回の更新分の症例を全て含みます。
 
WHOは、この事例に関して、入国時の特別なスクリーニングおよび渡航や貿易を制限することを推奨していません。