(No.160)

中東呼吸器症候群コロナウイルス感染確定例報告(109)  平成26年7月16日更新

2014年7月14日の更新情報です。7月10日、アラブ首長国連邦(UAE)の国際保健規則(IHR)担当窓口は、新たに2例の中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)の感染確定例を報告しました。
報告された症例の詳細は以下のとおりです:
1例目 UAE・アブダビ出身の67歳の男性で、6月17日に発症して同日に入院しました。7月2日に危篤状態になり、アブダビの病院の集中治療室に入院しました。7月6日に検査でMERS-CoVが確認されました。この患者には基礎疾患があり、サウジアラビアの東部地域にラクダ農場を所有しています。患者は発症する3ヶ月前にこの農場を訪問し、ラクダとの直接的な接触がありました。発症する2週間前にアブダビのラクダ農場を訪問しましたが、ラクダとの直接的な接触はありませんでした。患者は以前のMERS-CoV感染確定例との接触歴はなく、最近の渡航歴もありませんでした。アブダビのラクダ農場の調査、及びこの患者の接触者の追跡調査が現在も続いています。
2例目 UAE・アブダビ在住の50歳の男性で、MERS-CoV感染が確認されたラクダがいた農場における接触者のスクリーングの一環として確認されました。6月26日の環境水産省の報告によると、そのラクダは検査でMERS-CoV感染が確認されました。患者は7月3日にMERS-CoV感染のスクリーニングが行われました。患者はその時に症状はありませんでしたが、7月5日に軽度の咳を発症し、6日に検査でMERS-CoV感染が確認されました。患者は以前のMERS-CoV感染確定例との接触歴はありません。この患者の接触者、及びラクダ農場の他の接触者の追跡調査が続いています。
現在までに、世界中からWHOに公式に報告されたMERS-CoV感染確定患者は836人で、このうち288人が死亡しています。
WHOは、この事例に関して、入国時の特別なスクリーニングおよび渡航や貿易を制限することを推奨していません。