西アフリカにおけるエボラ出血熱の集団発生(35) 平成26年7月31日更新
疫学とサーベイランス
2014年7月24日から27日の間に、ギニア、リベリア、ナイジェリアとシエラレオネでは122人の新たな患者(診断確定例、可能性例、疑い例を含む)と57人の死亡者が報告されました。ギニア、リベリア、シエラレオネでは地域社会や医療機関での感染伝播が続いており、依然として危険な状態です。新たなエボラ出血熱(EVD)患者の急増は、医療機関での伝播や効果的な追跡者調査といった判明した問題すべてに対応するために、更なる努力を必要としています。
同月29日、ナイジェリアのIHR担当窓口によると、27日にWHOに報告されたEVD可能性例はナイジェリア到着時に症状発症しており、59人の接触者(空港職員15人と病院での接触者44人)が確認されています。報告書では、患者は同月20日に空路を利用しトーゴのロメとガーナのアクラを経由して、ナイジェリアのラゴスに到着したことが確認されています。患者検体はWHO協力センターであるセネガルのダカール・パスツール研究所に未だ送られていません、宅配業者が輸送拒否しているためです。ナイジェリアでは可能性例1例のみの報告ですが、この国でのエボラウイルス感染症は今回のEVDの流行課程において重要な展開を示しています。
ガーナ、ナイジェリア、トーゴの国家当局は、接触者の同定や接触者追跡調査と同時に、対応計画の準備のためにWHOとそのパートナーと密接に連携しています。
保健部門の対策
現在、西アフリカのEVD流行への急速な対応のために、WHOの事務総長や上級管理局長などは患者グループ、協力パートナー、国際機関と共に世界的レベルで協議し続けています。議論の焦点は、EVDの蔓延防止と流行の終息の為の、早急な人材派遣、財源確保に集中しています。
4カ国では、疫学調査、接触者調査、情報公開、社会的動員、症例管理、感染予防・制御、調整、スタッフセキュリティーを含めたすべての側面を拡大して強化するための努力が続いています。また、WHOは加盟国が採択したアクラの戦略に沿って、さまざまなパートナーとの緊急時対応の必要性を定義する国家対策計画を作成するなど、密接に連携しています。
WHOとそのパートナーである地球規模感染症に対する警戒と対応ネットワーク(GOAN)、アメリカ疾病管理センター(CDC)、国境なき医師団(MSF)、ユニセフ、国際赤十字•赤新月社連盟、ダカールのパスツール研究所、セーブ・ザ・チルドレン、プラン・ギニアなどはEVD流行抑制のために、WHO小地域アウトブレイクコーディネイションセンター(SEOCC)を介して活動し続けています。
WHOは、この事例に関する現在の情報からは、ギニア、リベリア、ナイジェリア、シエラレオネへの渡航や貿易を制限することを推奨していません。
患者数情報の更新
EVDに起因する新たな患者と死亡者について、西アフリカ4カ国ギニア、リベリア、ナイジェリア、シエラレオネの保健省から報告が続いています。2014年7月24日から27日までの間に、新たな死亡者57人を含むEVDの新規患者122人が4カ国から報告されました。ギニアでは患者33人と死亡者20人、リベリアでは患者80人と死亡者27人、ナイジェリアでは患者1名、と死亡者1名、シエラレオネでは患者8人と死亡者9人です。
2014年7月27日の時点で、4カ国でEVDに起因した患者の累計数は、死亡者729人を含めて1,323人となりました。患者の分布と分類は以下のとおりです。ギニア:患者460人(確定例336人、可能性例109人、疑い例15人)・死亡者339人、リベリア:患者329人(確定例100人、可能性例128人、疑い例101人)・死亡者156人、ナイジェリア:患者1人(可能性例が死亡)、シエラレオネ:患者533人(確定例473人、可能性例38人、疑い例22人)・死亡者233人。統計の概要表は以下のとおりです。
2014年7月27日時点のギニア、リベリア、シエラレオネにおけるEVDの診断確定例、可能性例、疑い例、死亡例
※ 新症例は2014年7月24日から27日までの間に報告された患者
症例数の総数は、分類変更、後ろ向き調査、症例と検査結果の統合、そして強化されたサーベイランスにより変化します。記載されているデータは、保健省から報告された最も有用性の高い情報に基づいています。
2014年7月24日から27日の間に、ギニア、リベリア、ナイジェリアとシエラレオネでは122人の新たな患者(診断確定例、可能性例、疑い例を含む)と57人の死亡者が報告されました。ギニア、リベリア、シエラレオネでは地域社会や医療機関での感染伝播が続いており、依然として危険な状態です。新たなエボラ出血熱(EVD)患者の急増は、医療機関での伝播や効果的な追跡者調査といった判明した問題すべてに対応するために、更なる努力を必要としています。
同月29日、ナイジェリアのIHR担当窓口によると、27日にWHOに報告されたEVD可能性例はナイジェリア到着時に症状発症しており、59人の接触者(空港職員15人と病院での接触者44人)が確認されています。報告書では、患者は同月20日に空路を利用しトーゴのロメとガーナのアクラを経由して、ナイジェリアのラゴスに到着したことが確認されています。患者検体はWHO協力センターであるセネガルのダカール・パスツール研究所に未だ送られていません、宅配業者が輸送拒否しているためです。ナイジェリアでは可能性例1例のみの報告ですが、この国でのエボラウイルス感染症は今回のEVDの流行課程において重要な展開を示しています。
ガーナ、ナイジェリア、トーゴの国家当局は、接触者の同定や接触者追跡調査と同時に、対応計画の準備のためにWHOとそのパートナーと密接に連携しています。
保健部門の対策
現在、西アフリカのEVD流行への急速な対応のために、WHOの事務総長や上級管理局長などは患者グループ、協力パートナー、国際機関と共に世界的レベルで協議し続けています。議論の焦点は、EVDの蔓延防止と流行の終息の為の、早急な人材派遣、財源確保に集中しています。
4カ国では、疫学調査、接触者調査、情報公開、社会的動員、症例管理、感染予防・制御、調整、スタッフセキュリティーを含めたすべての側面を拡大して強化するための努力が続いています。また、WHOは加盟国が採択したアクラの戦略に沿って、さまざまなパートナーとの緊急時対応の必要性を定義する国家対策計画を作成するなど、密接に連携しています。
WHOとそのパートナーである地球規模感染症に対する警戒と対応ネットワーク(GOAN)、アメリカ疾病管理センター(CDC)、国境なき医師団(MSF)、ユニセフ、国際赤十字•赤新月社連盟、ダカールのパスツール研究所、セーブ・ザ・チルドレン、プラン・ギニアなどはEVD流行抑制のために、WHO小地域アウトブレイクコーディネイションセンター(SEOCC)を介して活動し続けています。
WHOは、この事例に関する現在の情報からは、ギニア、リベリア、ナイジェリア、シエラレオネへの渡航や貿易を制限することを推奨していません。
患者数情報の更新
EVDに起因する新たな患者と死亡者について、西アフリカ4カ国ギニア、リベリア、ナイジェリア、シエラレオネの保健省から報告が続いています。2014年7月24日から27日までの間に、新たな死亡者57人を含むEVDの新規患者122人が4カ国から報告されました。ギニアでは患者33人と死亡者20人、リベリアでは患者80人と死亡者27人、ナイジェリアでは患者1名、と死亡者1名、シエラレオネでは患者8人と死亡者9人です。
2014年7月27日の時点で、4カ国でEVDに起因した患者の累計数は、死亡者729人を含めて1,323人となりました。患者の分布と分類は以下のとおりです。ギニア:患者460人(確定例336人、可能性例109人、疑い例15人)・死亡者339人、リベリア:患者329人(確定例100人、可能性例128人、疑い例101人)・死亡者156人、ナイジェリア:患者1人(可能性例が死亡)、シエラレオネ:患者533人(確定例473人、可能性例38人、疑い例22人)・死亡者233人。統計の概要表は以下のとおりです。
2014年7月27日時点のギニア、リベリア、シエラレオネにおけるEVDの診断確定例、可能性例、疑い例、死亡例
|
新症例※ |
確定例 |
可能性例 |
疑い例 |
総数 |
|
ギニア |
症例 |
33 |
336 |
109 |
15 |
460 |
死亡例 |
20 |
218 |
109 |
12 |
339 |
|
リベリア |
症例 |
80 |
100 |
128 |
101 |
329 |
死亡例 |
27 |
72 |
62 |
22 |
156 |
|
ナイジェリア |
症例 |
1 |
0 |
1 |
0 |
1 |
死亡例 |
1 |
0 |
1 |
0 |
1 |
|
シエラレオネ |
症例 |
8 |
473 |
38 |
22 |
533 |
死亡例 |
9 |
195 |
33 |
5 |
233 |
|
総数 |
症例 |
122 |
909 |
276 |
138 |
1,323 |
死亡例 |
57 |
485 |
205 |
39 |
729 |
症例数の総数は、分類変更、後ろ向き調査、症例と検査結果の統合、そして強化されたサーベイランスにより変化します。記載されているデータは、保健省から報告された最も有用性の高い情報に基づいています。