(No.178)

西アフリカにおけるエボラ出血熱の集団発生(41) 2014年8月14日更新情報

疫学とサーベイランス

 2014年8月10日から11日までの間に、ギニア、リベリア、ナイジェリア、シエラレオネからエボラウイルス疾患(EVD)の新規患者128人(診断確定例、可能性例、疑い例を含む)と死亡者56人が報告されました。
 ギニア、ナイジェリア、シエラレオネの接触者追跡は、EVD症例接触者の94から96%の範囲となり、接触者は同定され経過観察されています。リベリアでは接触者追跡の強化が進行中ですが、援助が必要とされています。リベリア軍はEVDの流行抑制の強化を進める一環として、同国で三つ目となる州を検疫(隔離状態)下に置いています。


保健部門の対策

 8月11日WHO(世界保健機関)は影響国から医学倫理学者、科学的専門家の委員会を召集し、流行地域から人々を集めています、その目的は、未承認治療の潜在的実施に関する臨床的意志決定のために、倫理的な影響を考慮、評価するためです。
 EVD流行のこの特殊な状況下で、特定の条件が満たされるなら、治療及び防御法として、有効性と副反応が証明されていない未承認の治療を提供することが倫理的に問題ないと委員会は同意に達しました。
倫理基準は、これらの治療の規定を導かねばなりません。治療の規程には、あらゆる局面での治療、インフォームドコンセント、選択の自由、守秘義務、尊厳の保護とコミュニティの参加、についての透明性が含まれます。
 この会議の追加情報は以下のウェブサイトhttp://www.who.int/mediacentre/news/statements/2014/ebola-ethical-review-summary/en/.会議の議事録は2014年8月17日まで閲覧できます。
 運営上、WHOは戦略的な活動計画をまとめて、数日中に各国とそのパートナーと共有する見込みです。最も援助を必要とされる地域へ人員と物資を提供できるよう調整するために戦略図を描くことも進行しています。
 EVDと確定診断された個人または患者と接触したケースを除いて、いかなる渡航や貿易を制限することをWHOは推奨していません。(接触歴のある医療関係者と研究所スタッフを含みません。)各国での処置に関する、緊急委員会からの一時的な方針は、http://who.int/mediacentre/news/statements/2014/ebola-20140808/en/.で閲覧できます。

 

新症例

確定

可能性

疑い

ギニア

症例

4

369

133

8

510

死亡

4

242

133

2

377

リベリ

71

166

358

146

670

死亡

32

149

153

53

355

ナイジェリア

症例

0

10

0

2

12

死亡例

1

0

3

0

3

シエラレオ

53

706

38

39

783

死亡

19

295

34

5

334

  128

1251

529

195

1975

死亡

56

686

323

60

  1069

 ※ 新症例は2014年8月10日から8月11日までの間に報告された患者

 症例数の総数は、分類変更、後ろ向き調査、症例と検査結果の統合、そして強化されたサーベイランスにより変化します。記載されているデータは、保健省から報告された最も有用性の高い情報に基づいています。