(No.179)

西アフリカにおけるエボラ出血熱の集団発生(42)2014年8月15日更新情報

疫学とサーベイランス

 2014年8月12日から13日までの間に、ギニア、リベリア、ナイジェリア、シエラレオネからエボラウイルス疾患(EVD)の新規患者152人(診断確定例、可能性例、疑い例を含む)と死亡者76人が報告されました。


保健部門の対策

 8月13日から14日にかけていくつかの航空会社と社会的メディや昔ながらのメディアは流行国への、あるいは流行国からの航空機利用はエボラ出血熱の拡大につながる重大な危険性をはらんでいると述べています。この誤った考え方を正すためにWHOはジュネーブの国連本部で8月14日プレスカンファレンスを実施、そこでWHOのコメントとして航空機利用はエボラ感染のある国からでもエボラウイルスを持ち込む危険性は低いことを述べています。さらにエボラ出血熱の感染の仕方について明らかにしており、結核やインフルエンザとは異なり空気感染はしないことを明らかにしています。感染は血液や吐物,汗下痢便など患者の体液と直接の接触によりおこります。たとえエボラウイルスに感染した患者が航空機を利用したとしても他の乗客や,乗務員が患者の体液と接触する可能性は非常に低いと述べています。WHOはエボラウイルスに感染した人に接触した人(適切な個人防護を行った医療者や検査スタッフを除く)やEVD確定、可能性例を除いては渡航や交易の制限をすることを推奨はしていません。緊急対策委員会が出している各国がなすべき最新の推奨事項は「西アフリカにおけるエボラアウトブレイクについての国際保健規則緊急委員会」で閲覧できます。

 8月13日世界保健機関の全地球的情報システムの代表、国連機関の代表、政府間機関代表やパートナーはエボラ出血熱の危険地域のマッピングと各組織共通の対策をこうじるために会合しました。これによりWHOや他の機関は人的、物質的資源がアウトブレイクの有効な終結のために集結できることになり、感染発生国の危機に対処できるようになります。


患者数の更新情報
 2014年8月13日現在、ギニア、リベリア、ナイジェリア、シエラレオネにおけるエボラ出血熱の診断確定例、可能性例、疑い例数は以下の表の通りです。

 

新症例

確定例

可能性例

疑い例

総数

ギニア

症例

9

376

133

10

519

死亡例

3

245

133

2

380

リベリア

症例

116

190

423

173

786

死亡例

58

154

190

69

413

ナイジェリア

症例

0

11

0

1

12

死亡例

1

4

0

0

4

シエラレオネ

症例

27

733

38

39

810

死亡例

14

309

34

5

348

総数

症例

  152

1310

594

223

2127

死亡例

76

712

357

76

  1145

新症例は2014年8月1日から8月13日迄の数。

 症例数の総数は、分類変更、後ろ向き調査、症例と検査結果の統合、そして強化されたサーベイランスにより変化します。記載されているデータは、保健省から報告された最も有用性の高い情報に基づいています。